<2024.02.03>公式音源2本挿入
<2020.02.09>起稿(+1)
松山千春デビュー20周年の意義を込めてリリースされたアルバム『TOUR』
タイアップしたコンサート・ツアー「全国100番勝負!」の日本武道館公演(1996年6月6日)は今も鮮明に残る。
「大空と大地の中で」から始まり、二部ではまだアルバム『TOUR』リリース前、「君は僕」「時代」「TOUR」と、松山千春流フォークソングを3曲畳みかけた。
アルバム『TOUR』6曲目の「メロディー」
リリース以来まったく歌われていないと思っていたが、夢野旅人さんDBによると、2015年春のツアー6月18日、大阪国際会議場で歌っている。
松山千春得意の三拍子の静かな曲。Aメロで叙情的にかみしめるように歌い、サビでは松山千春フルパワーの半分ぐらいのレベルで熱唱している。
きっと多くの人たちの中に残る小さい頃母が歌ってくれた歌、母がくちずさんでいた歌のメロディー。母に守られ、父に守られていたあの頃の情景が、そのメロディーと一緒に蘇ってくる。
曲名は思い出せないが、小さいころ母に手を引かれ買い物に行く途中、母がいつも歌を口ずさんでいた。その母を見上げていたのを今でも覚えている。
懐かしさはそのメロディーやあの情景の中に宿るのだろう。
短い歌詞。贅沢な要望を言えば、Aメロ部分を違う歌詞でもうひとブロックずつ入れ込んで欲しかった。松山千春が歌うこの世界の歌詞をもう少し多くの言葉で聴きたい気持ちはある。
「不安な心に もてあそばれて」
「こんなところで つまづいている」
としても、あのメロディーを思い出すと、また歩き出せる。
差別用語とは思わない。母なる大地、母校、母艦などと言うが、父なる大地、父校、父艦とは言わない。いつの時代もすべてのものが生まれ、還る場所は母なのだろう。
懐かしさは「母」「お母さん」「母ちゃん」「おふくろ」…その言葉の中に宿るのかもしれない。
昨日(2020年2月8日)、ふるさと山梨で父の一周忌。
母も父も眠る墓に合掌し、この上ない感謝を伝えた。
「遠く遥かな ふるさと慕えば
穏やかな空 変わりなき山」
(松山千春「慕う」)
母も父も眠る墓は、穏やかな空のもと、変わりなき山の中ほどにある。
(2020年2月8日 生まれ育ったふるさとの風景/筆者撮影)