長女の二十歳のお祝いに、普段なら絶対に行かない(行けない)高級鉄板料理の料亭みたいな店に行った。要人と言われるような人たちもよく利用する店。

 

どうせ行くのなら、去年9月の長男誕生日、11月の家内と長女の誕生日、今月の私の誕生日、長男の大学合格祝いの意味まで全部ひっくるめた(笑)。

 

我が家一部屋に専属シェフが一人付いて目の前で調理して、出してくれる。

 

 

 

 

 

 

食事が終われば席を2階に移してデザート。

 

食事している時にシェフが今日のお祝いの理由を聞いてきたが、それが既に2階に伝わっていて、2階のソファに座ると、すぐに長女と長男にバラの花をくださった。

家族写真を撮ってくれ、店を出る時にはそれをフォトフレームに入れてくださった。

 

サービスの質の高さ、料理のおいしさ、流れる時間のゆったりさ。

いい2時間だった。

 

子どもたちが喜ぶ顔は本当に嬉しいもの。

その前日には長女の晴れ着の撮影。家内がことのほか喜んでいた。

二十年、早いね。

 

健康で無事故で、出逢う人たちを大切にしながら自分が望む道を行けばいい。

 

 

今から19年前、家内が全国紙に投稿した原稿が掲載されたことがあった。

それを思い出した。

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子の後ろ姿に母の心も育つ(声)

主婦 虹野かな美(東京都):仮名

 ようやく一人歩きを始めた娘の後ろ姿ばかりを集めたスナップ。寝返りが初めてできた芋虫のような後ろ姿、子供番組に夢中になる後ろ姿、道端に座り込みアリをいじる後ろ姿。
 今後は娘の走る姿、ランドセルを背負う姿、自転車に乗る姿、やがて、生涯の伴りょと腕を組む姿などがアルバムに増えていくのかと思うと、希望は広がる。
 「親の背を見て子は育つ」というが、私は日々驚くほど成長する娘の後ろ姿を見守ることで、母の心を育ててもらっている。
 「スポック博士の育児書」に、誇り高い子供たちを育てるには、世の中の問題を解決するのに直接役立とうとしている親自身の行動こそ重要であると書かれている。親として人間として、私自身が人と社会に貢献している後ろ姿を見せ続けることが、一番の子育てになると信じている。
 私たち親子は、こうして互いの後ろ姿を見せ合いながら、一緒に育っていくのだと思う。