さて、愛車…? 代車の中でのカセットテープ生活初日。
松山千春アルバム『木枯しに抱かれて』。1980年11月リリース。
ケースに入れた写真も、当時の音楽誌から取ったような記憶がある。
ダビングしたカセットテープはmaxell(日立)XLⅡ-S。いわゆるクロムテープ(High Position)。
高音をよく拾うので当時はほとんどこのテープにダビングしていた。
松山千春のLPはだいたいどれも46分テープで十分だった。
当時中学1年。NHK-FMの松山千春特集でこのアルバムが流れたのを覚えている。
A面3曲目の「うぬぼれ」
短い歌詞にアップテンポなメロディであっという間に終わるが、結構気に入っている。
アコースティックギターのソロストロークから入る。おそらくGコードだと思うが、これを何度自分で真似したことか。ロック調の曲ながら全編カッティング奏法でのアコースティックギターの音がよく響く。
夢野旅人さんのデータベースによれば、1981年6月27日、28日の日比谷野音での「時代をこえて」ツアー、2日ともにアンコールでフルコーラス歌ったそうだ。
どうせならLIVE BOXに入れて欲しかったところ。
ぜひライブで歌って欲しいが、今歌えばステージセンターに直立不動、譜面台(歌詞)だけを見つめて歌う姿が想像できるので、この曲のイメージとはかけ離れてしまうだろう。サビの高音も、残念だけど現在ではもう無理だろう。
自分にどの程度、うぬぼれがあるのか分からない。
圧倒的に分からないことが多いのに、自分が経験した範囲で分かった気になるのもうぬぼれと言えば、そうかもしれない。
そのうぬぼれを消してくれる笑顔…二人の子どもが小さかった頃の笑顔がそれに近いかな。帰宅すると小さい二人が玄関まで来て笑顔で待っていてくれた。あの瞬間、俺のうぬぼれが消えてゆく!とは一度も思わなかったが、一日の疲れや嫌なことが吹き飛んだ。
あの長女ももうすぐ20歳。家内とタッグを組んで、私の対抗勢力になってしまった。
あの長男も18歳。男の子はかわいさ先払い、ニキビ顔で無口な男になってしまった。
45歳を超えた頃からだろうか。仕事での重責や見舞われる苦境に苦しさや悔しさ、もどかしさが先立つ毎日。しかめっ面の日々も多かった。そういう時、家内の存在は大きかった。
今でもそうだけど。私の固まった気持ちを解きほぐすような会話は本当に有り難い。
歌詞の内容はともあれ、このからっとした明るい「うぬぼれ」を聴いていると、すっきりしてもやもやが消えていくような気がする。
明日から秋~冬のツアースタート。無事完走を願っている。
ささやくように 愛して欲しい
祈り疲れた 僕のために
君のほほえみで 僕のうぬぼれが
消えてゆく
いたわるように 愛して欲しい
捧げつくした 僕のために
君のほほえみで 僕のうぬぼれが
消えてゆく
君のほほえみで 僕のうぬぼれが
消えてゆく