<2023.10.21>再掲
 哀悼 谷村新司さん 
<2019.9.23>

 

 

中学1年(1980年)の頃、同じクラスに、当時地元で大きな建設会社社長の子どもだった友だちがいた。

 

彼の家に遊びに行った時、その豪邸ぶりに驚き、彼の広い部屋には大きなコンポーネントステレオがあり、当時出たばかりのウォークマンもあった。その時彼が私にくれたのがアリスのシングル「秋止符」(作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄 1979年リリース)。

 

特定の世代ではご存知のとおり「秋止符」は、「3年B組金八先生」第1シリーズ「十五歳の母」の回でたびたびBGMとして流れていた。主題歌の「贈る言葉」(海援隊)もさることながら、記憶に残っているという意味では「秋止符」の方が強い。

 

ちなみ、第2シリーズ「卒業前の暴力」回で流れた中島みゆきの「世情」も、ドラマ映像とよくマッチして強烈なインパクトだった。その威力は、私の中では第2シリーズ主題歌の「人として」(海援隊)を端に押し流してしまった感がある。

 

スリーフィンガー奏法のアコースティックギターがよく響く。当時よくこの曲で練習した。あの時のギターは、いとこからもらったもうメーカーも記憶がないが、ネックもそりまくっていた古いギターだった。

 

あの友だちのお父さんが営んでいた建設会社は90年代初頭、バブルがはじけた頃に倒産したようで、その彼とも中学卒業以来1回も会っていない。

 

来週はまだまだ30℃オーバーの日が数日あるようだが、風が運ぶ薫りはもう秋。「秋止符」で歌われる主人公の男女はその夏ですべてに終止符を打ったようだ。

 

春よりは秋の方が好きで、どこかもの寂しさを感じる中で、力がみなぎって来るような感覚がある。

 

 

 

左ききのあなたの手紙
右手でなぞって真似てみる
いくら書いても埋めつくせない
白紙の行がそこにある

友情なんて呼べるほど
綺麗事で済むような
男と女じゃないことなど
うすうす感じていたけれど

あの夏の日がなかったら
楽しい日々が続いたのに
今年の秋はいつもの秋より
長くなりそうなそんな気がして


夢を両手に都会に出て
何も掴めず帰るけど
やさしさの扉を開ける鍵は
眠れない夜がそっと教えた

心も体も開きあい
それから始まるものがある
それを愛とは言わないけれど
それを愛とは言えないけれど

あの夏の日がなかったら
楽しい日々が続いたのに
今年の秋はいつもの秋より
長くなりそうなそんな気がして

春の嵐が来る前に
暖かい風が吹く前に
重いコートは脱ぎすてなければ
歩けないような そんな気がして