<2023.12.31>公式音源挿入

<2019.06.02>

 

 

今夜(2019年6月2日)放送の「松山千春 ON THE RADIO」

 

かけた曲は”雨”にちなんだ曲。番組の最後に自身の「6月の雨」をかけた。予想の範囲内、もしライブでも”雨”をテーマに選曲するとしたら、やっぱり「6月の雨」を歌うだろう。

 

 

「銀の雨」「雨の夜」「雨の舗道」「6月の雨」「雨の日曜日」「冷たい雨」…いろいろ考えていたが。個人的には「冷たい雨」をかけて欲しいとも思った。

 

もし「情景」をかけてくれたら個人的には大喜びだったし、選曲、練ったな、となったと思った。

 

 

「情景」―1992年9月にリリースされたアルバム『挫折』の5曲目。アレンジは瀬尾一三氏。

 

リリース当初より大好きな曲。

 

もしコンサートで聴きたい歌は何か?と聞かれて、素の状態で挙げれば、「あなたが僕を捜す時」「街角」「父さん」(フルバンド)、そして「情景」。「情景」、一回でいいから聴きたい。

 

 

歌詞で歌われている二人が過ごしている時間はそれほど長くない。

 

都会の街、突然降り出した雨に戸惑う人々。その雨の中で流れる二人だけの理屈が要らない時間、二人だけの世界。それらの情景が、端的な歌詞から伝わる。

 

美しい歌詞とゆったりとしたメロディは、恋愛の歌を越えたスケールの大きささえ感じる。

 

「突然のこの雨は 都会の涙だと
つぶやいたお前の目に 涙があふれてた
濡れた手でかき上げた 長い髪の雫」

 

の表現も見事だが、この曲では何と言っても以下の言い回し。

 

「不思議だねお前には 想い出が見えない
いつだってひとりきり 生きてきたのだろう」

 

松山千春曰く「詞と曲が一緒に湧いてくる」曲の作り方の中で、群を抜く見事な表現だと思っている。

 

「幸せになれるねと お前の言葉に 

何も言えずに ただうつむいた」

と歌う「ひとりじめ」

 

 

「何ごとも真剣に 考える君だから

答えを持つ そんな人と めぐり逢えるといい」

と歌う「ひまわり」

 

 

「神様がいるのなら ひとつだけ祈りたい

できるだけ 穏やかな人生を あの人に」

と歌う「祈り」

 

 

「雨はまだまだ降りやみそうにない

どうか あの人だけには 優しく」

と歌う「冷たい雨」

 

 

などに共通する表現を感じる。

 

これまでライブでは歌ったことがないであろう「情景」

 

恋愛の歌を歌うことが多いライブの一部で、こうした隠れた、ひょっとすると本人さえ認識していないのではないか?と思うぐらいひっそりと、しかし厳と存在しているこういう名曲(あくまで私の評価だけど)を、ぜひ歌って欲しいと願う。

 

 

もっともっと 強く強く

愛にしがみついて
やっとやっと たどりついた

心ひとつにして

アスファルトたたきつけ

かけぬけてゆく雨
突然のこの雨は

都会の涙だと


つぶやいたお前の目に

涙があふれてた
濡れた手でかき上げた

長い髪の雫

もっともっと 強く強く

愛にしがみついて
やっとやっと たどりついた

心ひとつにして


さす傘もないままに

人波はくずれて
ずぶ濡れの二人には

この街がお似合い


不思議だねお前には

想い出が見えない
いつだってひとりきり

生きてきたのだろう

もっともっと 強く強く

愛にしがみついて
やっとやっと たどりついた

心ひとつにして

もっともっと 強く強く

愛にしがみついて
やっとやっと たどりついた

心ひとつにして

 

 

【撮影者】渋谷義彦さん
【撮影日】2017-02-27 5:50pm
【撮影地】東京都文京区 文京シビックセンター

「富士の夕焼けと新宿高層ビル群」