毎年春のこの雰囲気になると、1986年の春を思い出す。
山梨から東京の大学に出てきて、一人暮らしを始めた春。
松山千春がデビュー10周年の年で、日清パワーステーションでスタジオライブをやり、東京FMで聴いた4月。アルバム『あなたが僕を捜す時』がリリースされた5月。
そのアルバムの8曲目「夢」。
2000年5月リリースのアルバム『LaLaLa』の7曲目に収録されている「夢」とは違う。
『LaLaLa』の「夢」は、先日家族で移動している車の中で、松山千春ON THE RADIOを聴いていた時に流れてきた。
「…まずい、こっちの「夢」かぁ~」…オイラは困った。
「ちょっと、なに~?この歌」…予想どおり、私は家族からのバッシングにあった。
『あなたが僕を捜す時』の「夢」。
歌詞の趣旨を取ればタイトルは「夢」と言うよりも、眠れないことの方が意味は大きい。
「今夜も夢で会えるといいね」と別れ際に彼女に言われて、「分かった!」それを真に受けた彼は、夢で会うために早く眠りにつこうとするが、寝返り打つばかりで眠れない。
彼女の後ろ姿ばかりが浮かんでくる。きっとこれは嫌われているんじゃないか?そんなことを考え始めると余計に眠れない。こんな僕の気持ちを君は知らないだろうな。
こういう会話、現実的にはあり得ないだろうけど、「夢の中」(アルバム『浪漫』)でも、夢の中で彼女に会えたら嬉しいと歌う。
何か強いメッセージがあるわけではないし、なんのことはない歌詞だが、実はむしろ男性にありがちかもしれない、子どものように純粋な気持ちを歌う。
リリース以来結構気に入っている。