平成の音楽史 第1回
昭和から平成へ、変わる音楽シーン
89年~93年、J-POPをCDで聴く時代に
4/10 音楽ナタリー
https://natalie.mu/music/column/325763
(記事本文冒頭抜粋)
30年続いた平成の間に音楽シーンは激変した。この先、音楽はどのように進化していくのだろう? それを知るために、音楽ナタリーでは「平成の音楽史」と題した特集を数回にわたって掲載。これにより平成の音楽と社会の変遷を振り返っていく。まず初回は、平成元年になった1989年からトレンディドラマ最盛期を迎えた93年頃までの流れを追う。
文/大石始 編集/木下拓海 ヘッダ画像提供 / SME Records
“川の流れのように”始まった平成
ある日突然「昭和」が去り、「平成」がやってきた。
昭和天皇が緊急入院されたのは1988年9月19日。日本社会が徐々に自粛ムード一色に染まっていく中、翌89年1月7日には昭和天皇が崩御。この日で60年以上続いた激動の昭和が終わり、翌8日から平成という名の新時代が幕を開けた。
「オリコンホットチャート100」によると、昭和最後のシングルチャート(89年1月2日付)で1位を飾ったのは前年10月26日にリリースされた長渕剛「とんぼ」。また、平成元年4日目の1月11日には美空ひばりの生前最後となるシングル「川の流れのように」も発売されている。昭和という時代を歌ってきた長渕が昭和最後のチャートで1位を飾ったこと。美空ひばりという昭和の大歌手が平成に入ってからわずか5日目に最後のシングルを発表し、その5カ月後にこの世を去ったこと。どちらも昭和から平成へ時代が移り変わる時期の象徴的な出来事と言えるだろう。
(後略)