岡村孝子さん2枚目のオリジナルアルバム『私の中の微風』
私が大学に入学した1986年の7月にリリース。
これに加えて『After Tone』(1987年11月)、『SOLEIL』(1988年7月)の3枚は学生時代よく聴いた。
『私の中の微風』の1曲目、「見送るわ」
メロディとアレンジの力もあって、悲しい別れをからっと爽やかに歌いあげる。
拘りを捨てて、私は変わらずにいよう。周囲の変わりゆくものを爽やかに見送る。
自分の中に変わらない芯がしっかりとあれば、見送ることができる。
年齢を重ねるたびに、物事の見方、考え方、アプローチの方法は変わる。
置かれた状況によって、変わらざるを得ないこともある。
変わらないもの。
掲げた夢、決意―それに向かい、成し遂げようとする自分の気持ちは何一つ変わらない。それがあれば、周囲の波風によって自分の心がぶれることはない。
家内、長女、長男。どうやら朝から忙しい。
家族が出かけてゆくのを、私はパソコンの前でこの稿を打ちながら見送るわ。
午後から仕事。
涙が枯れるかと 思う 位に泣いた
これで二度とあなたを 苦しめずにすむのね
もう終っていたと わかってはいたけど
それを口にするのが 少しこわかっただけ
ちょっと 背伸びをしてた あの日々が悲しい
がむしゃらにやさしさを 奪いあっていただけ
あなたはたぶん 変わってゆくのね
悲しいけれど見送るわ
煙った雨の午後 人ゴミの街に立つ
通り過ぎる車が 水しぶきをはねてく
はがれ落ちたポスター ふみつけられるように
こわれかけたこだわり いっそ崩れてしまえ
すべてのものが 変わってゆくのを
私はここで見送るわ
生き方を変えてまで 追いはしないけど
どんなものに変えても ほしい愛はあるのよ
あなたはたぶん 変わってゆくのね
悲しいけれど 見送るわ
あなたがいつか 変わってゆくのを
私はここで見送るわ 見送るわ