昨年の11月18日放送の松山千春「ON THE RADIO」。
その中で、松山がASKAのことに言及していた。あのタイミングでの言及は、友だち思いの松山らしさが出ていたと思った。以下抜粋。

『友だちと言えば、私の弟みたいなASKA。
ASKAに”ASKA、お前よかったじゃん。お前はいいもの持っているんだから、これからもそのいいところを伸ばしていくんだぞ”とメール入れておいた。


ASKAは好きなやつですよ。憎めない。ASKAはかわいい弟。
ぜひとももっといい曲をASKAが綴れるよう、頑張ってもらいたい。

これはASKAにも言ってないんだよ。ASKAの曲で「伝わりますか」って曲、大好きなんだよ。

じーんと来るんですよ。 

ASKA、お前の声は他にはない。声の魅力、これは天性だぞ。与えられたものだぞ。ますます努力してASKAがみんなに”やっぱり違うよなぁ、こいつ””ちょっと、やっぱり飛びぬけているよなぁ”って言われる日を俺は待ち望んでいる』

 

 

松山がわざわざASKAに「お前のこの曲、好きなんだよ」なんて言う必要もないと思うけど(笑)、松山流の枕ことば。

 

ASKA「伝わりますか」。1988年発売のアルバム『SCENE』に初めて、その後『ASKA the BEST Selection 1988-1998』『We are the Fellows』にも収録されている。

 

ファンの皆さんの間でも常に好きな楽曲ランキング上位に位置している。

 

松山千春も女性の心の在り様や揺らぎを女性言葉で書く時、よくこういう歌詞が書けるものだと感心する曲が多くある。

 

単純比較はできないけれど、ASKAのこの曲は、見えるもの感じるものをストレートに歌詞にする松山の作風とはまったく別世界の、深みと厚みが伝わる。

 

「じーんと来るんですよ」(松山千春) 

 

歌を褒める時の常套句として、「誰々にしか歌えない」「誰々しか書けない歌詞」という言い方は好きではないので、自分では使わない。

 

ASKAのファンの皆さんが選ぶ、好きな楽曲ランキングのいつも上位にいる曲たちは、確かに、ASKAだからこそああいう表現ができるのだろうと思える、深みと厚みのある、見事な歌詞の世界が作り上げられている。

 

 

淡い紅を かるくのせて
想い出追えば 娘にかえる

恋を知れば 夜が長く
待ち人の名を つぶやいた頃


一人のために女は
時を旅して綺麗になる
あなたの腕のつよさは
消えない ぬくもり

今もたどれるものなら もう一度 もう一度
全てを無くす愛なら あなたしかない


愛するくらい 愛されたいと
願う心が 重荷でしたね
恋の色は 夕暮れの空
うす紅に はかなく落ちた

 

伝わりますか 今夜は
悪い女に なっています
あなたの守る幸せ
消えてくださいな

なりふりかまわぬ恋を もう一度 もう一度
全てを無くす愛なら あなたしかない

 

さびしい夜は 娘心が
悪戯します

今もたどれるものなら もう一度 もう一度
全てを無くす愛なら あなたしかない

 

さびしい夜は 娘心が
悪戯します