<2018.10.22>起稿

 

 

ひとつのことを20年、30年と続けている人がいる。傍からは、それは生活の一部となり習慣化しているほどに見える。

 

何であれ、長く続けることは並大抵のことではない。見えないところで、並々ならぬ意志と努力があるものである。

 

続けるから力がつく。続けるには力が必要。続けることと、身につく力は一体なのだと思っている。

 

 

行き詰まったら原点に帰る。そしてそこから決意新たに歩き出せばいい。歩き始めたら、真っ直ぐにその道を進めばいい。

 

そしてまた行き詰まったら原点に帰る。このサイクルを何度繰り返してきただろう。きっとその繰り返しが「歩き続ける」こと。

 

 

松山千春は、2014年4月に「歩き出してくれないか」、同年10月に「あの日の僕等」、2015年10月には「真っ直ぐ」をリリースし、すべて先日(2018年10月17日)発売のシングルコレクションアルバム『起承転結14』に収録されている。

 

 

 

この3曲を私の親しい友だちが「人生三部作」と言っていた。確かに、生き方や人生を3つの視点から歌っている佳曲であり、松山千春近年楽曲における「人生三部作」だろう。

 

この3曲を聴いていると、必然的に「歩き続ける時」が浮かんでくる。弾き語りよりむしろフルバンドの方がこの曲のスケールと厚みが伝わるのだろうけど、そういう手段はないので、久しぶりに弾き語りで歌ってみた。

 

(LP『歩き続ける時』歌詞カード)

 

1978年10月21日リリースのアルバム『歩き続ける時』のA面5曲目のタイトル曲。

 

 

「歩き続ける時」…私の中では、いつでもリリース当時の感動のままに聴ける、松山千春初期の代表曲であり大作と思っている。いつもライブで、できればフルバンドで、もっと言えばストリングスまで入って、聴きたいと願い続けている。

 

上の「歩き出してくれないか」「あの日の僕等」「真っ直ぐ」は「歩き続ける時」がリリースされてから36~37年もの歳月が流れている。年齢を重ねて、歌詞表現も声質も変わった。

 

でも、松山千春の中で変わらない思い…。

 

一度きりのあなたの人生、真っ直ぐにひたすら歩き続けて欲しいということ。

 

その時、自分の歌が少しでもあなたに寄り添うことができれば、自分が歌うことの意味があるということ。

 

始まりも終わりもない宇宙空間の遠大な時の流れの中では、瞬きするほど短いこの一生のうちで縁あって出逢った人々への感謝の思い。

 

 

先日(2021年7月)、YouTubeで、おそらく2015年秋のコンサート・ツアー『真っ直ぐ』の中で歌われた音源と思われる「歩き続ける時」を聴いた(現在はYouTube上に存在しない)。

 

松山千春現在(2021年時点)65歳。年齢を重ね、いくつもの病を抱えながら、一日単位で見ても心身ともにきっと不調の日もあるだろう。そのライブ音源からは、それでもまさに命尽きるまで歩き続け、歌い続けていく決意が伝わってきた。

 

 

 

 

振り向かないで この道を 歩き続けてほしいから


振り向かないで この道を 歩き続けてほしいから
めぐる季節のその中で 流されないでほしいから

 

もしも 歩き疲れたら 僕が唄を歌おうか
君の瞳の輝きが 涙なんかで曇らぬようにね

もどることなく この道を 歩き続けてほしいから
だれもみえない明日の日を 信じ続けてほしいから

 

もしも 疲れ果てたなら 僕が支えてあげようか
君の小さな手のひらで いつか幸せつかめるようにね
君の小さな手のひらで いつか幸せつかめるようにね

もしも 疲れ果てたなら 僕が支えてあげようか
振り向かないで この道を 歩き続けてほしいから

 

 

 

 

【更新履歴】
<2024.03.15>公式音源挿入

<2021.08.12>一部加筆