<2023.9.22>公式音源挿入

<2018.8.30>

 

 

これまで読んできた本の中で様々な意味で衝撃を受け、感動した世界的な古典、名著と言えば『戦争と平和』(レフ・トルストイ) 『復活』(同) 『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユゴー)、そしてモンテ・クリスト伯』(アレクサンドル・デュマ)がぱっと浮かぶ。

 

たとえば『モンテ・クリスト伯』(日本では『岩窟王』)の最後の有名な言葉。

 

「待て、しかして希望せよ!」

 

いつも私を勇気づけてくれる。この作品は1845年~1846年にかけて書かれている。今から170年以上も前の言葉が、時をこえて2018年8月に生きる私を勇気づける。

 

人間の本質を伝え、読む人の生きる糧となるがゆえの古典の真骨頂。作家が魂込めて残した言葉は、時代をこえてゆく。魂込めて為した仕事は必ず時代をこえていく。

 

 

松山千春「時代(とき)をこえて」。1981年5月にリリースされたアルバム『時代をこえて』のタイトル曲。ライブではほとんど歌われていないが、ファンのみなさんの間では人気が高いであろう松山千春らしいスケール大きい曲。

 

ぜひライブで、と願っているが、現在の松山千春にこれを歌えるだろうか…。そんな不安もよぎる。でもどんな歌唱であっても、現在の松山千春が歌う「時代をこえて」、受け止める気持ちは当然ある。

 

私が中学2年の時の曲。あれから37年。歌詞としては、もう一歩思索を進めて、それを言葉に表し言葉を尽くして欲しいと思うが、時代をこえて、あの時の情景とともに今も大切にしている一曲。

 

 

「もう、どうでもいいや」…何もかもが嫌になりかけていた。投げ出したくなった。

ふと見上げた空。頬を撫でる風は優しく心地よい。西の空の夕焼けを見ていたら、圧倒的な太陽のパワーに「忘れかけてた笑顔 とりもどせそうさ」(松山千春「時代をこえて」)。また頑張れそうな気がする。

裏切られることに慣れても吹っ切れればそれはそれでよい。しかし、また裏切られるのではないか、足元をすくわれるのではないか、そんなことを考えて自分が小さく臆病になっていた。

だからと言って、ひねくれ腐るつもりはない。自分が決めた道から下りるつもりは絶対にない。あの時の誓いを投げ出すわけにはいかない。
 

君に伝えよう また陽は昇る
だから泣かないで その涙ふいて
夢と手をつなぎ その道を歩いて

(松山千春「陽は昇る」 2004年)


いつもひとりだと決めつけていたけど、時はじっと見ていてくれる。表現し難いが、時と言うのは、自分を超えた大きな法則と言うか、全てのものの根底に脈打つ正しいリズムと言うか、そういうものだと捉えている。

 

夢も一緒に歩いてくれる。地道に努力し続けた人間が報われないわけがない。

身近に、遠くに、自分を見守り応援してくれる人たちがいる。その人たちに気付けば、人は絶対にひとりではない。

 

 

何もかもがいやに なりかけていた
やさしいんだね風は ほほをなぜてゆく

西の空を赤くそめ 陽が沈む
忘れかけてた笑顔 とりもどせそうさ

夕陽にそまる はるかな道を


アー 僕の夢よゆけ

アー 時代をこえてゆけ


裏切られる事に なれかけていた
信じてもいいんだね 陽は又 昇るね

いつも一人きりと きめつけていた
だけど時代は静かに 僕を見てくれる

夕陽にそまる はるかな道を

アー 僕の夢よゆけ

アー 時代をこえてゆけ
アー 僕の夢よゆけ

アー 時代をこえてゆけ