「パーソナライゼーション(personalization)」と言えば、現在では「検索サイトがウェブページを利用者個人向けにカスタマイズする」という意味で使われることが多い。
利用者の属性、趣味嗜好などによりページをカスタマイズする、つまりその利用者の意思とは別に、利用者が好む情報だけを送る。
Facebookのタイムラインに掲載されるニュースやMy Yahoo!、プッシュ型情報、インターネットショッピングなどがこれにあたる。
イーライ・パリサー氏が唱えた「フィルターバブル」にも共通する概念で、氏はこれだけ世界的に情報が共有される時代にあって、「フィルターバブル」は、人々を分断する遠心力になると警鐘を鳴らした。
新聞(朝日、読売、毎日、産経、日経)も、今やネット上で「全文読むには会員登録を」と表示されないで、ある程度完結したかたちで記事を読めるのは産経新聞である。産経は他サービスへの記事提供にも力を入れていて、ネット上でリンクが張られる新聞記事は産経が多い。
言うまでもなく新聞には、掲載する事件や事柄、それを伝える視点などその新聞社のポリシーが反映される。同じ政治記事でも各紙を読み比べることで、各紙の視点の違いが分かるし、その全体像を掴むことができる。
テレビ、新聞、週刊誌、ネット、本などから伝えられる膨大な情報にどう向き合うのか、そのスタンスを構築することが必要な時代。そしてスタンスは、その人のそれまでの様々な経験とポリシーが作り上げるものだろう。
自分としてどう捉えるのか。どう見るのか。どう考えるのか。
途切れることのない学びと行動(経験)、それを通して築き上げたポリシーが問われる。
松山千春「STANCE」(歌詞抜粋)。
松山が「フォークソング」と自認する歌たちの中では、比較的社会性が見え隠れする歌詞。
松山が自著『足寄より』で強調していた「プロテストソング」とは思わないが、”この時代の中で起こる事象に対して、お前はどう考えるのか?お前はどういうスタンスで向き合うのか?”―そうしたメッセージが伝わる佳曲だ。
テレビで何を覚え 新聞で何を悟り
週刊誌に何を求め 歌に何を感じる
みんな 自分に都合のいい世の中を作り
本音と たてまえと うそと だまし裏切り
やりきれない そのうちに 俺もお前も慣れっこになっちまう
立ち上がるな!座るな! 急ぐな 今しかない
もっと自分自身と 世の中を見比べて
すぐに変わるもんじゃない すぐに出来ることじゃない
だけど地道な努力が 報われる時もくる
やりきれない そのうちに 俺もお前もこの世とさよなら