さて、松山千春所有のギターを特集した「Player」9月号。

 

その中の一本に2013年3月製作のT'sT(テリーズ・テリー)のTMJ-051USというギターがある。

 

 

ヘッドにもネックにも、ボディにも桜の花びらが、またネックヒールやヘッドストック部分には美しい彫刻が施されている。

 

松山千春のトレードマークの北海道、このギターではネックではなく、ネックヒールの裏側ボディに埋め込まれている。

 

何よりこのギター、ヘッド、ブリッジ、ボディなどすべて左右非対称に作られている。

とくにボディの左右非対称には驚いた。向かって右側がミディアムサイズ、左側がジャンボサイズ。

 

これは音を意識してこのように作られている。ミディアムサイズの右側の弦は1~3弦、つまり高音域の音が出る。ジャンボサイズの左側の弦は4~6弦、つまり低音域の音がよく出る。

これにより豊かな低音域と、煌びやかな高音域がバランスよく出る、という作りだ。

 

 

 

2014年5月14日、松山千春コンサートツアー2014 『生きて』。東京国際フォーラム公演。

この時は比較的前方席。

 

ダブルアンコール3曲、最初が「帰りたい」だった。しかもこのギターを使っての弾き語り。

客席からは上のようなギターの作りは当然わからなかったが。

 

感動した。

 

記憶に生きる私は苦笑、「近年のアンコールで、たしかこのTMJ-051USで『自分なりに』『由生ちゃんとポプラ並木』『帰りたい』のいずれかを歌ったはずなんだけど・・・どの曲だっけ?」とずっとひっかかっていた。

 

で、そうなると確認するのは夢野さんのブログ、しかも今回は夢野さんにメッセージで確認までして、「帰りたい」とやっと判明、溜飲が下がった。夢野さん、ありがとうございました。

 

「帰りたい」「帰ろう」「帰ろうか」・・・松山がふるさとを慕う望郷の名曲たちのうちの一曲。

 

他にも「空を飛ぶ鳥のように野を駆ける風のように」「僕の好きな風景」「流浪」「慕う」「終わり無き愛」「春は来る」など、ふるさと北海道を歌った数多くの歌がある。

 

愛するふるさとを思って紡ぎ出した言葉、自然と湧き出(い)でた言葉、その気持ちを素直にメロディに乗せて生まれた名曲たち。

 

こうした名曲たちを秋のツアーでぜひとも歌って欲しいと、改めて思った。