高校時代「強歩大会」という伝統行事があった。今もあるらしい。

 

山梨にある私の高校に確か22時に集合し、22時30分頃に高校グランドをスタート。

夜を徹して東京の奥多摩湖まで、いくつもの峠、山々を越えて約60㎞を走る。翌日の14時頃がタイムリミットだった。

私は空手部だったが、この強歩大会の前になると、ひたすら走る練習に替わる。


思い出してもぞっとする。強歩大会、二度とやりたくない。

 

峠、奥深い山道に入ると、当然街の灯り、車のヘッドライド、家々の灯りなどは一切ない。まさに真っ暗。走りながら夜空を見上げていると、一夜で何十個という流れ星を見ることができる。

とても幻想的で感動したのを覚えている。本当ですよ流星群 流星 流れ星 ☆ 流れ星 流れ星

 

松山千春は「流れ星」という曲の中

 

「流れ星落ちるたび 手を合わせ目を閉じて 

お互いの明日を願うようだ」

 

と歌う。この光景が本当にある。

 

流れ星が”びゅんびゅん”落ちる。ただいくらたくさん落ちるといっても、あのタイミングを見て”手を合わせ目を閉じて、明日を願う”のはちょっと無理。

 

ずっと目を閉じて祈っていれば可能かもしれないけど、それだと流れ星を見ることはできない手キャッ。意味がない。とにかく瞬間。

 

実際には毎日流れ星は幾つも落ちているのだろう。ただ街や家の明かりなどがあるため、それが見えないだけなんだろうと思う。

 

松山千春「星をかぞえて」アルバム『時代をこえて』のラスト。

 

「限りある命」が劇的に終わったあと、静かに入るこの曲。どこかアルバム『こんな夜は』

「父さん」から「涙」に変わるあのパターンに似ている。

 

当時中2だった私が最初に聴くのと、現在50歳、家庭を持ち二人の子どもがいる現在とでは当然聴き方が違う。生きる現実がまったく違う。

 

純粋に愛した女性を大切にし、空の星々を集めてそれに照らされながら、安穏で幸せな家庭を築きたい。お互いの幸せを祈り合えるような二人でいたい―優しさ溢れる名曲だと思う。

 

こうした思いは、大きな現実の中で、家庭を守り子どもたちを守るために、歳月を経てもっと重厚で深い決意に変わるものだ。でもその最初の願いは、やはりこうした綺麗で純粋な思いなのだろう。

 

 

星をかぞえて 夜を歩けば
言いかけた言葉が 気にかかる

愛してるとは 言いだせなくて
肩におくその手が ふるえだす

このまま 二人の愛が
いつまでも 続くといいな

君の明日を 僕が祈ろう
僕の明日を 君が祈る


もしも二人が 結ばれるなら
何よりも明るい家づくり

空にまたたく 星を集めて
二人の幸せ てらそうか

このまま 二人の愛が
いつまでも 続くといいな

君の明日を 僕が祈ろう
僕の明日を
君が祈る 君が祈る