梅雨らしい雰囲気はあるものの、雨が降るようで降らない。

 

車中でさだまさし初のベストアルバム『昨日達(イエスタディズ)・・・』を久し振りに聴いている

1981年11月発売。

 

ちょうどこの年の春、松山千春は「長い夜」が大ヒット。ザ・ベストテンにも出演し、富山そして日比谷野音での強烈なライブパフォーマンスはブームにまでなり、絶頂期に入った頃。

 

いい歌が並ぶ。「案山子」「驛舎」「生生流転」は名曲。

 

「生生流転」(1981年9月発売シングル)はさだまさしが初監督を務め、出演、音楽も担当した映画「長江」の主題歌。

 

言うまでもないが、この映画の制作が様々な事情から当初の計画どおり進まず、制作費がかさみ、さだまさしは30億円以上の借金を背負ったと言われている。

 

コンサートツアー「今、失われたものを求めて」(1983年)でも、松山が「まさし、腐っても鯛だぞ。映画が失敗したからと言って、コンサート本数を増やすようなことはするな」(要旨)と語っていた。

 

そうした事情はともあれ「生生流転」、いい歌だ。

 

「生まれて、生きる」―ささやかであたりまえのこと。その途上で起きるいくつもの様相を切り口に、それでも「前のめりに」「ひたすら生きてゆきたい」と歌う。

 

感情を前面に出して歌う。心を込めて歌う。力強く歌う。見事。

 

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ああ あたりまえに生きたい ささやかでいいから
ああ 前のめりに生きたい ひたすら生きてゆきたい

鳥は空で生まれて 魚は海に生まれたのなら
時間と呼ばれる 長い長い河の中で
きっとわたしは生まれた

 

生きるという奇蹟を 思い切り信じて過ごしたい
喜びと悲しみと憎しみと愛と死を
つまづき乍らでいいから いつくしむ人になりたい

ああ あたりまえに生きたい ささやかでいいから
ああ とても優しくなりたい 素直に生きてゆきたい

道に迷い苦しみ 時には人のそしりを受けて
それでも笑って 胸張って生きられる程
強く強くなりたい

 

こんな小さな生命 それでもわたしにたったひとつ
逃げたあと悔やむより悔やまずに血を吐いて
ひたむきに歩ける程 勇気とちからが欲しい

ああ あたりまえに生きたい ささやかでいいから
ああ 前のめりに生きたい ひたすら生きてゆきたい

ああ あたりまえに生きたい ささやかでいいから
ああ とても優しくなりたい 素直に生きてゆきたい


ああ あたりまえに生きたい ささやかでいいから
ああ 前のめりに生きたい ひたすら生きてゆきたい

ああ あたりまえに生きたい ささやかでいいから
ああ とても優しくなりたい 素直に生きてゆきたい

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