ジブリ映画「耳をすませば」の主題歌「カントリーロード」を歌う本名陽子さんのトークと生歌を聴く機会があった。近隣に住む友人(先輩)ご夫妻と一緒に聴いた。

 

「カントリーロード」。売上枚数21万枚。ジブリ映画史上最大のヒット曲。

宮崎駿監督が「普通っぽさがいい」ということでこの曲が抜擢された。聴いてみれば、ボーカリストではない。まさに普通の人が歌っている感じ。だからこそこの曲、この映画にはマッチしている。

 

劇場公開は1995年だけど、子ども達が小さい頃「となりのトトロ」とともにDVDで何回観たことか👀👀🎶。

 

本名陽子さんも二児の母。幼少の頃から様々な苦労を経て、今も声優として頑張っている。

 

私の膝の上で一緒に観た二人の子どもも長女は大学生、長男は高2。それぞれの時間を過ごし始めた。”帰りたい 帰れない カントリーロード♪” (#^.^#)。それぞれの自分の道を行け。

 

「歩き疲れ たたずむと 浮かんで来る 故郷の街

丘をまく 坂の道 そんな僕を 叱っている

 

どんな挫けそうな時だって 決して 涙は見せないで

心なしか 歩調が速くなっていく 思い出 消すため

 

カントリーロード この道 ずっとゆけば

あの街に つづいてる きがする カントリーロード」

 

(「カントリーロード」 抜粋)

 

原曲の歌詞はベクトルがまったく違って、早く故郷に帰りたい、という願いに貫かれている感がある。上の歌詞は日本語版の鈴木麻美子氏による。

 

歩き疲れた時、ふと故郷の両親や友だち、恩師の顔が浮かぶ。故郷の山々、河が浮かぶ。
もう何もかも諦めて故郷に帰ろうか―そんな時が誰にでもある。

しかし、その故郷自体が「まだまだだ。頑張れ!」と自分を叱咤激励してくれている。

 

 

松山千春「自分らしく」

一番新しいところでは2016年10月7日、デビュー40周年記念コンサート・ツアー「松山千春の系譜」、@府中の森芸術劇場で久しぶりに聴いて本当に感動した。

 

「かわいそうな奴と 声をかけられるより 

頼りない奴と どうぞ笑っておくれ 

 

運の悪い奴と 情け かけられるより

出来の悪い奴と どうぞ見下げておくれ

 

夢を掲げながら 夢に酔いしれていく

愛を歌いながら 愛にとり残される

 

時は流れ やがて 君も年老いてゆき

 「俺の若い頃は…」 なんて口にするだろう

 

曲りくねった道を 歩き疲れても いつも

自分らしく 生きていたいから 」

 

(松山千春「自分らしく」)

 

松山が売れなくなって、まだそれを完全には捉えきれていない時代の代表曲であり、名曲だと思っている。

 

”自分らしく生きている”と自分で分かることほど、不自然で自分らしくないことはないだろうと思う。”自分らしく生きている”時はそれとは分からないものだ。だから”自分らしい”。

 

何らかの苦境、不本意な境遇、悔しさ・・・そうした環境下に置かれ自分が自分ではないぐらい悩み落ち込む。その時に初めて”自分らしく生きたい”とカウンター的に本能的に思うものだろう。

 

必ず今の苦境を脱して見せる!そうした決意を一言で置き換えると”自分らしく”ということなのだと思う。

 

古来「櫻梅桃李」という言葉がある。『古今著聞集』(「草木」の項)には「春は櫻梅桃李の花あり」という記録もある。

桜は櫻、梅は梅、桃は桃、李は李。皆それぞれの個性があり、それぞれの花を咲かせる。
上下貴賎はない。比較で優劣などつけられない。まさに”自分らしさ”を説いた言葉だ。

 

一歩踏み込めば、その4種類の個性は、咲く時期に現れる。春という大括りの中ではあるが、それぞれ咲く時期が違う。それが個性であり、それぞれ大成する時が違うということだ。
桃が梅の花咲く時期を羨んでも仕方ない。

 

他の花は咲いた。でも自分はまだ咲く気配がない。焦るのか、腐るのか。それは違う。

花が咲くことは間違いない。必ず咲く。

問題はその時期。その咲く時をじっと待つ心。

それが”自分らしさ”なのではないだろうか。

 

「カントリーロード この道 ずっとゆけば

あの街に つづいてる きがする カントリーロード」

 

「曲りくねった道を 歩き疲れても いつも
自分らしく 生きていたいから 」

 

何があってもじっと耐えて自分が決めた道を『歩き続けること』。それこそが”自分らしさ”だと思えてならない。