↑夕焼けの角島大橋
漁師といっても様々な漁があるので、自分で海に出られるように許可される迄の手順です。
まずは基本的に住んでいる地域の漁業組合員になります。
組合員にも
正組合員
準組合員
という物があり、それぞれ出来る漁の種類と出資金という漁協に預け入れるお金の金額が違います
正組合員は60万円
準組合員は20万円
これは自分が組合を脱退する時に返還されるお金なので言わば保証金の様な物です。
自分が死んで独り身で、引き取り手が居ない場合の船や係船場に小屋や道具を置きっぱなしにした場合の処分費等に当てられる事もあります。
組合員になるのはちょっと…
という方は、船だけ係船させてもらって釣り等を行う事もできます。
ただ、その場合には色々と制限される事があります。
例えば漁の種類
組合員でない限り殆ど遊魚船、一本釣りしかできません。
また、係船費用が地域にもよりますが年間船の長さ(m)×1万円~2万円と非常に高いです。
組合員の場合は2000円程度です。
なので係船料だけで考えても組合員になった方がかなり金銭面的にお徳です。
それに網や潜りや籠や磯見、海草漁等は組合員でなければ行えません。
また、組合員になるのには港の運営委員長や運営役員の方、漁協の方に申請して資格審査委員の会議で認めてもらえないとなる事はできません。
要するに漁村に認めてもらえないといけません。
基本的にその地域に住んで漁師として生きていこうと思っていない人はなれないと思って良いと思います。
晴れて組合員になっても次に免許を取らなければなりません。
1級小型船舶操縦士免許 12万円前後
丙種危険物取扱免許(自分で給油する場合)2700円
第2級海上特殊無線技士 5万円前後
場所や地域によって若干の差が出ますが基本これ位です。
ただ僕の場合は国の保証で上記3個の資格がほぼ無料で取得できました。
この時点ですでに772700円です。
続いて、独立漁師になるには
1、飛び込み
2、弟子入り
があります。
弟子入りに関しては「漁師.jp」というサイトで年に何回か開催される漁業就業フェアという物に参加してこの山口県にきました。
一度の参加で決めるより、何度か色々なフェアに参加したり色々な地域で開催されるフェアに行くのがいいかと思います。
自分もバイクで千葉から山口へ来て、実際に山口の漁村などを回って決めました。
このフェアは市や県が物凄くバックアップしてくれるので、保証金や補助制度がかなり充実しています。
※県によってかなり異なります。
僕の山口県豊北町の研修に関しては
2年間師匠について研修生として操業
1年目は毎月128000円
2年目は毎月174000円
の補助が国から出ます。
上記3個の免許取得費用が1万円以内で済みます。
県漁協のニューフィッシャーリース制度で400万円以内の買い物なら一度に限り半額の値段で買えます。
これで僕は250万円程度の買い物を半額で買う事ができました。
※ソナーや魚群探知機等
卒業後3年間で360万円。月々平均10万円の補助金が貰えます。
※卒業後の補助金はもし3年間受給して受給後5年以内に漁師を辞めた場合は全て返済の義務有り
具体的にはまだまだありますが大体この様な保障があります。
この制度を使わないで漁師になるのはリース事業をマックス利用した場合
9386700円という1000万円近いお金を無碍に捨てる事になるのであまりおすすめできません。
逆の視点で見ると、これだけしないと漁師が増えないという現状です。
漁師という職業に夢がないのでしょうね。世間一般では。
国へ税金を払っているのですから、こういった保障はどんどん使いましょう。
ですが誰でもこの制度を受けられる訳ではありません。
この制度は直接フェアに来ている漁師と対談(面接)をして1次面接を通過し、2次の短期研修(実際に漁についていく)を合格しなければ研修生にはなれません。
年齢制限は20代前半~45歳前後迄、基本独身が好ましい。貯蓄額は最低数百万程度。(400~500万は欲しい)
という様な基準は様々なフェア出店支店により
何故なら若すぎるとお金も社会経験も足りないのではないか一度は企業に勤めて組織を知るべき。年齢が上過ぎると様々な国の漁師支援制度が受けられないから。
というのも簡易審査対象となるみたいです。
もちろん人を見る面接なので例外も山ほどあります。
年齢制限と家族もいて…という方は、直接行きたい漁協の支店に行って
「こちらに引っ越してきて心機一転ここの村人になって漁師として生きて行きたい」
と相談したら無碍に追い出す場所は無いかと思います。保障はもらえないですが。
漁に関しても港の漁師にいろいろ挨拶をして
「漁師としてこれからこの村で生きて行こうと思いますが無知なもので、よければ色々教えてください」
とビールでも持って行って言ったら、かなり色々面倒見てくれると思います。
それ以前に田舎の漁村では東京等の都会と違って挨拶してればなんとかなります。
東京では知らない人に挨拶は不審者ですが…。
笑顔で「おはようございます」「こんにちわ」「こんばんわ」
田舎ではすれ違う知らない人にも常に挨拶するのがかなり大事です。
それ以外必要無いという位大事です。
たとえ1回無視された人でも何度も挨拶。これめっちゃ大事
最初は「部外者」でも挨拶がすべてを変えます。
むしろそれ以外する必要がない程大事です。
自分は明らかに他地域の人にも挨拶します。習慣付けですね。
また、漁師になる人間は男気が強い人がかなり多いです。
気も荒いというかせっかちが多いのでハッキリ端的に大きな声が肝心です。
まわりくどい言い方は厳禁です。ドストレートに言いましょう。
海で命をかけている物同士、本気の気持ちを持った人には本気で答える仲間意識が本当に強くなります。
という事で。
漁師になる為には大体772700円のお金がかかるという事です。
※これはフェアに行く旅費や宿泊費を除いたお金です。
これにさらに船舶購入代金、係船ロープ、碇購入代金、最低設備投資代金、無線登録費用、漁船保険、傷病保険、漁具費用等がかかります。
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