ここからが海事代理士試験の本番、海事法律関係の科目についてです。全科目紹介すると長くなってしまうので、かいつまんで紹介します。


まず絶対的に注力すべき科目は、この試験の重要科目である『船舶法』『船員法』『船舶職員及び小型船舶操縦者法』『船舶安全法』の4科目です。これらはそれぞれ20問出題される上、口述試験の出題科目でもあります。合格マニュアルや過去問を繰り返し学習し、各科目8割以上の得点を目指しましょう。合格マニュアルや過去問は法改正に対応していないのでeGovを活用して最新の法律(受験年の4月現在施行のもの)に置き換えて勉強してください。


先述した計算問題は『船舶職員及び小型船舶操縦者法』で出題されます。乗船履歴としてカウントできる期間に注意して、簡単な比率計算(1:3等)と足し算だけで解答できるので慣れたらすぐに解けます。とはいえ1問しか出ないので1点か2点でしかないのですが。


他の科目は頻出条文を押さえておけば大体いけると思いますが『海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律』については範囲が広く、条文も付け足しだらけで調べるにもかなり面倒な科目です。あまり深入りしないほうがいいと思います。


引っ掛けや深堀りした問題が出ることのある科目としては『港則法』『海上交通安全法』です。海技免許や小型船舶操縦免許をお持ちの方は学習したことのある法律ですが、条文の学習だけでは分かりづらいような内容で、現役の船員さんでないとなかなか答え辛い問題が出ることがあります。


この2科目は海技試験の出題科目でもあるため、海技試験の担当者が作成しているのか、やや船員向けの内容のように感じました。


全く船に馴染みのない方はこの2科目については一般者向けの船の解説本や6級海技士(航海)の問題集、小型船舶免許の教本に目を通しておくと理解が深まるのではと思います。特に航路の名称は図を見ないとわからないと思います。大型書店でしたら置いてあります。


ある程度勉強を進めていけば自分の得意とする、覚えやすい科目が見えてくると思います。そういう科目は8割以上を確保できるよう万全を期して、他の科目は6割ぐらい取れるようにしておけば大丈夫かなと。そうすれば、たとえ平均点が60%を超えたとしても合格ラインに乗ると思います。


本試験では各科目の問題用紙に名前と受験番号をそれぞれ記入する必要があります。先ずは落ち着いてすべての問題用紙に記入を済ませましょう。早く問題に取り掛かりたいのはやまやまですが、漏れのないように注意してください。試験終了間際に気づくと冷や汗ものです。


最後に試験時間についてですが、先述した通り今までより試験時間が短くなっています。特に2限目は試験時間が元々短めだったためその影響は顕著で、あまり余裕はありません。重要科目が2つあるのでじっくりと取り組みたいところですが、とりあえず問題の最後まで手早く済ませそれから見直しするようにしないと間に合わないかもしれません。


他の時限は割と余裕があると思います。見直しが済んだら途中退出して次の時限の追い込みをしましょう。


最後の時限だけは終わりまで退出せずにいたほうがいいと思います。試験終了後、模範解答が配られます。途中退出しても構いませんが、模範解答を貰うには試験終了を待たないといけません。


合格発表は約一ヶ月後です。ホームページに公表され、合格者には書留で合格通知が送られてきます。


次の記事では口述試験について紹介します。