口述試験の通知には試験当日は開始時間の30分前には来庁し、受付を済ませるよう指示があります。受付を済ませたら待機室に案内され、合格証明書に記載される氏名や生年月日に誤りがないかチェック用紙を渡されます。すぐの提出を求められるので、あまりギリギリに到着すると最後の追い込みの時間が減ってしまいます。少し余裕を持って行きましょう。貸してはくれますが、あらかじめボールペンを持参したほうがスムーズです。


ただし、あまり早すぎても待機室の収容人数はそんなに多くなく、座れる人数に限りがあります。満席の場合はとりあえず受付を済ませてからロビーで待つことになります。少し騒々しいですが、一応椅子はあります。静かな待機室で追い込みしたいのなら、指示通り1時間から30分前に到着するほうがいいと思います。


開始時間の15分前になったら試験室前の待機席に案内されます。そこで改めて試験の説明をされます。中からは試験の声とベルの音が聞こえてきて段々緊張してくる所です。


試験は4人同時に入室し、試験官と一対一で試験を受けます。試験室は大部屋で各科目ごとに席が分かれており、まずは各々が指定された科目の席に座ります。お見合い回転寿司方式で実施されるので、始めの合図で一斉に開始し、3分経ってベルが鳴ったら次の席に移ってというのを4科目分繰り返します。計12分、入退室や席移動の準備時間を入れても15分程度で試験は終了してしまいます。


ちなみに、自分がどの科目からスタートするのかは当日にならないとわかりません。割り振り表は待機室に掲示してあります。


試験問題は数パターン用意してあるみたいで、他の受験者と同じ問題が出されるとは限りません。ですので、同時に入室した隣の席の受験者のやり取りを聞くのはあまり意味がありません。もっともそんな余裕はないと思いますが。


入室して荷物置きに荷物を置いたら、指定の席に移動し自分の名前と受験番号を試験官に申告して椅子に座ります。全部の席の準備ができたら開始の合図がかかります。


試験が開始されると皆が一斉に喋り始めるのでかなり騒々しくなります。コロナ規制が解除されて試験官と間のアクリル板は無くなったので聞こえにくいことはないと思いますが、気を抜いてしまうと周りの声に惑わされて何を聞かれているのかわからなくなります。


背中合わせになる席との間にはパーテーションがありますが、隣の席とは距離が取ってあるとはいえパーテーションがなく、かなり聞こえてきます。私は試験官の声を聞き漏らさないよう身を乗り出すように座って受け答えしました。


試験官は順に問題を聞いてきますのでそれに応答するのですが、わからない問題が出たときは「パスしてください」とか「次お願いします」と言えば次の問題を読んでくれます。5問全部終わったら時間内であればパスした問題に戻ってもらえます。全部回答できたとしても3分経つまでは待たないといけませんから、最初から問題を読んでもらうなどして時間を有効活用しましょう。もしかしたら勘違いして答え間違いしているかもしれません。


回答に詰まる問題が出たとしてもダラダラ悩まず、すぐに次の問題を出してもらい、少ない試験時間を自分でマネージメントしてください。本当にあっという間に時間が経ってしまいます。


過去には試験官が多少の誘導や助け舟を出してくれることもあったみたいですが、全くそんなことはなく、事務的に淡々と問題が読まれていくだけです。


海技試験の口述試験は結構助け舟を出してくれたんですが、試験時間が長いし受験者が理解しているかじっくりと確認するような試験でしたので、同じ海事局主管の試験ですがかなり様子が違いました。


試験が終わると速やかな退出を促され、抜け殻のようになりながら足早に退庁することになります。


結果は12月下旬頃、官報とホームページで公表され、合格者には合格証明書が送付されます。私は記念に初めて官報を買いました。


次の記事では合格後について紹介します。