ここでは『警戒船業務・管理講習』について紹介します。


表題では『業務・管理講習』としておりますが、『業務講習』と『管理講習』に分かれており、片方だけ受ける(管理講習は業務講習を修了していないと受講できない)こともできます。


この資格は海上や港湾において浚渫工事や護岸工事、花火大会といったイベント等の際に、付近を航行する船舶の事故防止や交通整理をするために配置される警戒船の業務に従事する際に必要となるものです。工事作業船やイベント会場の近くで警戒船と書かれた赤い旗を掲げた船が警戒船です。


道路工事やイベントの雑踏警戒で警備員が必要となるのと同じです。警備員も警備業務講習を修了していないとできません。


講習は海上保安庁の各管区保安本部が実施しており、原則、誰でも受けることができます。申し込みは各海上保安本部のホームページに開催のスケジュールが公表されるので、申込用紙をダウンロードして郵送します。


ただし、管区によっては「現に警戒船業務の補助についている者、又は1年以内に警戒船業務に就く予定のある者」という条件が設定されています。


これは受講希望者が多すぎるため、この資格を本当に必要としている人が受けられなくなるのを防止するためです。


というのも、この講習は誰でも受けられる上、受講料が無料だからです。以前は海上保安庁から委託された外部団体が実施しており受講料が必要でしたが、海上保安庁自体が実施するようになってから無料になりました。そのため、業務とは関係ない資格マニアといった人たちが殺到してしまっているのです。


特に現在はコロナの影響で一回に受講できる人数も絞っており、実施管区にもよりますが受講回数も年に2、3回とそんなに多くないので受講者は抽選になっているようです。


一応、上記した受講条件があるとはいえ、特に在職証明などを求められることもない(申込書に勤務先等を記入する必要はある)し、運良く受講枠に余裕があれば単なる資格マニアでも受講させてくれるので相変わらず受講希望者は多いようです。


次の記事では講習内容について紹介します。