ここでは代表的な設備系資格のボイラー技士について紹介します。
ボイラーは入浴施設の温湯用、大規模施設の空調用、温水プール、火力、原子力発電所等に使われています。少し意外なところでは給食センターや食品工場といった大規模調理施設の熱源(炒めたり煮たりするのに蒸気を使用する)に使用されるなど、私達の生活に密接した機器です。
高温高圧の蒸気を作るのですから、誰でも取り扱えるわけではありません。そのための資格です。取り扱えるボイラーの規模によって特級、1級、2級にわかれており、特級が最上位で取り扱い規模に制限がありません。
ボイラー技士の免許を取ろうとする方の大部分は2級からだと思います。数日間のボイラー講習を受ける必要がありますが、実務経験なしで取得できます。因みに各級とも、受験自体に制限はなく、免許申請に講習や実務経験等が必要となります。
1級は2級を取って実務経験を積んでから取得されることと思います。しかし私はいきなり1級を取得しました。それは3級海技士(機関)保有者は1級ボイラー技士試験に合格すれば免許申請ができるからです。一応、船で補助ボイラーといわれる小型ボイラーの取り扱い経験もありましたし、せっかくの受験資格ですから挑戦してみました。
余談ですが、2級海技士(機関)以上の保有者は特級ボイラー技士も狙えます。残念ながら4級海技士(機関)以下の方は海技免状だけでは申請資格がありません。免状と所定のボイラー取り扱い経験が必要となります。
ここで、陸上のボイラーと船のボイラーについて少し説明しておきます。実は、船のボイラー取り扱いについてはボイラー技士の資格は必要ありません。陸と船では管轄する法令が違うからです。舶用ボイラーの取り扱いは海技士(機関)の資格が内包しています。
ボイラー技士免許に話しは戻りますが、免許申請のためには実務経験か海技士の様な免許が必要になるのは、先程お話したとおりです。実務経験にあっては会社の総務課等で所定の用紙に書いてもらいます。免許関係は免許の発行元かボイラー試験実施機関等に、免許のコピーに原本と照合済である旨を記入してもらう必要があります。
私は3級海技士(機関)免状申請時に、運輸局にお願いして免状と一緒に照合済のコピーも送ってもらうようにしました。
試験についてですが、筆記試験のみで1級、2級はマークシートの択一式です。計算問題がありますが計算機は使えます。全体的な難易度は2級と大差ないと思います。計算問題が少し難しくなったぐらいかな。過去問で十分対応できます。因みに特級は難易度が別物です。テキストも殆どありません。まあ、特級まで受ける人はボイラー業界とか発電所関係の方でしょうけど。
ボイラー試験は労働安全衛生関係の資格ですから、以前紹介したクレーン・デリック免許と同じ免許証になります。過去問も同様に公開されています。『大阪特殊自動車学校』さんのホームページでも大量に公開してくれています。
勉強は上記の過去問と市販のテキストで大丈夫だと思います。計算問題も過去問で慣らしておけば解けるはずです。
試験場についても、1級、2級ボイラー技士試験は出張試験の対象となっていることが殆どですので、スケジュールが合えば近場で受けることができます。