3年前、Bunkamuraで、唐十郎さんが書かれた『泥人魚』という作品を観ました。
Bunkamuraと何度も交渉を重ね、鑑賞サポート(台本タブレット)を用意いただいて観た舞台です。本当に素晴らしくて、ラストシーンは今でも思い出すほど。
この『泥人魚』を、唐組で21年ぶりに上演すると聞き、チケットを取りました。
Bunkamuraでみたときは、
高尚な雰囲気だと感じましたが、
紅テントの中の泥人魚は、
雑多で、猥雑で、人間臭い泥人魚。
(褒めてます)
舞台と客席が、さらに花園神社までが一体となり
何とも表現し難い余韻を残し、
唐さんの、唐組の作品は唯一無二であると改めて感じました。
この「泥人魚」東京公演の直前に唐十郎さんが亡くなられました。
昨年の公演で唐十郎さんをお見かけしました。
タクシーで花園神社に乗り付け、唐さんの両隣を劇団の方が支え、ゆっくりと歩いていました。
とはいえ眼光は鋭く、カテコで前に出てお話された声はとても力強く、
往年の存在感を感じさせるお姿でした。
要望を出し、聞こえない観客が利用する観賞サポートが導入されたことで、観に行くことができました。
唐さんの姿をこの目に焼き付けたとき、
間に合った、、と心からそう思いました。
そして亡くなられた今も、唐組が続く限り、
唐十郎さんはそこにいらっしゃるような
そんな気がしてなりませんでした。
鑑賞サポートについて
台本データを入れたタブレットの貸し出し
介助者無料。
その他のサポートはご相談。
白杖を持った方も見に来られていて
多様な客席になっていた。
台本はオール手書き(!)
長い歴史のある劇団であることを感じさせる。
だがタブレットは最新のiPadを導入されていた。
観賞サポートの案内