三軒茶屋 シアタートラムにて、

カンパニーデラシネラ『the sun』を観てきました。

 

 

ろう者の俳優が出演しているため、客席には知り合いのろう・難聴者や手話関係者の知り合いがチラホラ。私も難聴の友達と一緒に鑑賞しました。

 

 

開演時間になると、照明が何度か点滅しました。

 

普段、聞こえない人に合図するのに照明を点滅させることがあります。

 

しかしこの舞台は、普段の強い点滅ではなく、優しい、そしてどこか不思議な雰囲気の点滅で、いつもと違う世界へ導かれていくような印象を受けました。

 

舞台中央のセットは、

異国の砂漠にそびえる建物のよう。

 

ポツポツと灯る灯が印象的。

 

冒頭、馬の表現に痺れました。凄い!

 

照明の周りを飛ぶ蛾。

どうなってるんだ。これまた凄い!!

 

いろいろいろいろあって、

あっという間の70分。

 

全体的にパフォーマンス中心の作品でした。

 

演奏家の方が舞台端で、何種類もの楽器を使い分けるのに驚きました。

観客も楽器や演奏の様子を見ることができるので、これも一種の視覚による情報保障?

 

 

観賞サポートについて 

 

鑑賞サポートのお知らせはこんな感じ。

 

ろう者を起用し、手話も使って表現されていたことは素晴らしい。

 

「無言劇」とあるようにほとんどパフォーマンスですが、たまに音声と手話による説明が入ります。文字情報はありません。

 

三味線で歌うシーンの歌詞情報保障は手話でした。いわゆる歌詞に合わせた手話歌ではなく、日本手話で歌の意味を伝える感じ?(歌が聞こえないので分からず)

 

本音を言うと私は歌を日本語で知りたいという気持ちが湧き起こりました。一緒に観た中途失聴の友達は手話がよく分からず…。。

 

もともと理解しづらい作品だと思うが「自分はもっと理解できていないかもしれない」という気まずさで、友人と作品について語りづらかったのは否めません。

 

作品としては素晴らしいと思うのだが、なんとも難しいところ。

 

聞こえの状況はさまざまで、聞こえない人=手話、ではありません。 

このご案内だと、手話が分からない、なおかつ音声が聞こえない難聴者も理解して観られると思って期待してしまうかも!

今回は、日本手話と音声を使用することを書いておくのが良かったんじゃないかなぁ。

 

 

終演後スタッフさんに、

「聞こえなくて文字も必要なのですが、台本サポートはないですか?」

と聞いてみました。

 

「今回は手話と音声があるので、これでいいと思っていましたが…」

とのこと。


スタッフさんに、手話が分からなくて音が聞こえない人は、情報が足りないこと、台本をお借りしたいとお伝えしました。

 

後日台本をお借りして、改めて舞台の記憶を反芻しながら、どんなことを歌っていたのか理解することができました。終わった後も真摯に対応してくださりありがたいです。

 

さいごに、劇場環境はとても良かったです。

筆談対応スタッフ(筆談ができる旨の名札付)がいたり、チケットもぎりの所では、注意事項をあらかじめ紙に書いておき、何かあれば見せられるようになっていましたり

聞こえなくても安心できる環境を作られていてとても素敵でした。