今年もあと少し。観劇納めはこちらの舞台でした!

ミュージカル「ジョン&ジェン」

最高でした~~!

 
この作品に字幕が付くと知ったのは、字幕対応日の1週間前!ミュージカル好きなら誰もが知る豪華キャスト!!
濱田さんは四季のマンマ・ミーア!で観て以来。(十何年ぶり?)鳥肌がたち、涙と鼻水が止まらなくなるぐらい感動したのを昨日のことのように覚えています。この時は補聴器をつけて8割ほど聞こえていたので本当に感動しました。
 
バタバタと字幕機の在庫を確認し、チケットを取って観て参りました。
 
一幕はジェンとジョンという年の離れた姉弟の物語。
ベトナム戦争帰りで姉弟に暴力をふるう父親。
お互いを護るようにして育った二人だが、思春期になるにつれて反発やケンカも。姉は家を出て気ままな生活を謳歌、ジョンは19歳で父親と同じように戦争に行きそのまま亡くなってしまう。

 

二幕では結婚して息子を産んだジェン。

息子にジョンと名付ける。その後シングルマザーとなるが息子を溺愛、亡くなった弟の服を着せ、弟が使っていた古いグローブをプレゼント。

息子は反発を続けるが、その一方で自分がそばにいなければ母はダメになると思い込む。そして大学合格を蹴って家に残ると決意。

そこでジェンは初めて自分が息子を縛っていたことに気づき、亡くなった弟の影を振り切って自分を取り戻す…という物語。

 

二人だけで歌い繋ぐミュージカル。着替えも小道具も全部舞台の上。あちこちに床下収納(笑)があり、そこから小道具を取り出すのですが、どこに何が入ってるか覚えてるのが凄い。

 

そしてお二人とも表現力が凄まじい。聞こえにくくても、声に動きにパワーがあり、さらに歌詞も楽曲も良いので作品の魅力がガッツリと伝わってくる。

二人が同時に歌うところでは、字幕にも工夫があって良かった。また、音楽の情報も丁寧に入っている。この情報は、舞台制作者に確認しながら入れたのだろうか?

 

 

字幕はPARCOステージさんとしては2回目。

よみうり大手町ホールで字幕対応が実施されるのは初めてらしい。とても観やすいし、椅子はフカフカだし、いい劇場でした。

田代万里生さん、新妻聖子さんバージョンも観たかったな~。

 

 

こんな素敵なミュージカルでしたが、

申し込みにはちょっぴりがありました。

 

一つ目の壁は、申し込みの煩雑さ。

申し込むまでに3つの工程が必要でした。

 

①字幕機の在庫を確認する。

なんとこの問い合わせ方法は「電話」しかない😓しかも0570。

字幕機申し込みフォームで確認する方法もあるけど、まだチケットが手元にないのに席番号などの情報を書かないといけないので、手間がかかる。

 

②チケットを購入する

字幕があると知ったのは字幕対応日の一週間前。どこで購入できるのかあちこち探しました。また、字幕機の在庫を確認してから買おうと思っていたので、チケットが売れてしまわないかヒヤヒヤ…。

 

③字幕機を申し込む

一度お問い合わせフォームから日時を記載したうえで問い合わせてるのですが、またもやフォームから申し込んでくださいと言われて、フォームに入力。

 

東京芸術劇場のように、字幕機とチケットを同時に申し込むことができるような形になったらありがたいです。

(返答を待っている間にチケットが売り切れてしまうかもしれないというストレスが一番嫌でした)

 

 

二つ目の壁は、本当に楽しめるのか当日まで分からないこと。

あまり良くない字幕業者だったらどうしよう?とドキドキしながら劇場を訪れました。字幕ユーザーにとっては、字幕のクオリティが作品のクオリティに直結します。

蓋を開けてみたら、いつものイヤホンガイドさんだったので問題なかったのだけど笑

 

 

三つ目の壁は、字幕の情報が必要な障害当事者に届いてないこと。

聞こえない当事者は少なかったです。日ごろ舞台情報をチェックしている私でさえ(←?)字幕対応日の1週間前に知りました。

その代わり(?)字幕機体験としてマスコミ関係者を多く招待していた模様。知り合いの記者も呼ばれていました。

 

ジョン&ジェンのチケット代は1万円。

楽しめるか楽しめないか分からないという賭けで出せる金額ではないと思います。

素晴らしい作品に字幕がついたことを嬉しく思うとともに、障害当事者の観劇の壁が少しでも低くなること、舞台に字幕があるということが広がることを願っています。