新宿花園神社の境内にて、

唐組公演『透明人間』を観てきました。


 

テントの中は前が桟敷席で、後ろは椅子席。


去年の秋に観た『秘密の花園』の桟敷席は

足場板が等間隔に敷かれていて、

板の上に座る形でした。

今回は足場板はなく、靴を脱いでゴザに座る。

去年板が敷かれていたのは、人と人の間隔をあけるためで、これが本来の客席だったのね。


開演前のテントの中はギュウギュウで、

おそらく満席だったのでは。

客層は、子どもから高齢の方まで幅広い。

 

パンフレットとタブレット。

合田佐和子さんの絵がすごく好き。


桟敷席だとタブレットが読みづらいため

椅子席に座らせていただいた。

カテコで拍手をしていたら、タブレットが膝から滑り落ちて土埃まみれに(汗)必死に拭いて返した。

けど写真でみるとまだ汚い…汗

(後で滑り落ち防止のカバーをつけては?と提案した)


 

初めて唐さんの戯曲の舞台を観たのは『泥人魚』

(唐組ではなくBunkamura公演)

その次が紅テントで観た『秘密の花園』

ここまではストーリーの解釈が

自分なりに出来ていた…ような気がします。

 

前回の『赤い靴』から

観れば観るほど分からなくなっていき、

今回の『透明人間』も、

迷宮に入りこんだような作品でした。


分からないまま、役者の熱量あふれる演技に、身をズルズルと引きずられているような不思議な感覚がありました。

 

一番分からなかったのが、

居酒屋の店員であるモモが

途中から、中国語の歌を歌う女になるところ。

過去に合田の父親が満州にいたから、その頃の幻影を重ねていたということなのだろうか。

あと福原さん演じる女教師の黒板消し。

なぜ黒板消しなのだろう。。


作品の中では、水が多く使われる。

今回は、役者さんが何度も水槽の中にもぐるのにはびっくり。身体を張ってるなぁ…。

舞台の上には水中花が飾られる。

水槽も水中花も何か意味があるはずで、その意味を必死に考えるが答えが出ず。

考えるな、感じろ、ということなのか。


謎が謎を呼ぶ観劇中、

唐さんが織りなす言葉がとても力強くて、

そして何度も歌われる歌「風はどこから」も心に残るもので、

そこに美しさと希望を見出しつつ観ていました。

 

そして最後のアレは癖になる。

舞台の先に見えたものは、日常でありながら異世界のようで思わず鳥肌が立ちました。

やっぱり唐組は面白い!


 

夏から唐さんの『少女都市からの呼び声』があちこちで上演され、

Bunkamura公演には字幕が付く。

こちらはもちろん観に行くけど、
新宿梁山泊が紫テントで同じ『少女都市からの呼び声』を上演する。

こちらはテント公演だから最後のアレがあるのかも??と思うと観てみたくてたまらない。

同じ作品だからこそ、テントと劇場の違いを味わうのも面白そう!

 

問題は梁山泊公演には鑑賞サポートが無いこと。。(要望を出さないとね…)

 

 

  鑑賞サポートについて

 

鑑賞サポートは台本タブレット。



字幕がない舞台は、紙台本を貸し出すことが多いが、唐さんの戯曲は、事前に読んでも全く理解ができない。

舞台を観ながら一緒に読むと、

ああ!こういうことだったのかと分かってくる。

 

唐組の台詞は、

人間業とは思えないくらい早い。

のんびりゆったり文字が読める舞台が恋しいけど

それでもまた観に行ってしまうのだろう。



今後は鬼子母神にテントを移して上演されるそうだ。場所が違うとまた雰囲気も変わるだろうなぁ。