日本劇作家協会のイベントに参加してきました。

Japan Playwrights Association - 公開講座 (8月) (jpwa.org)

 

久しぶりの劇場。

ここ2か月、持っているチケットが、

ことごとくお空に飛んでいきまして…

こちらのイベントも家を出る直前まで、

公式ホームページやSNSで中止になっていないか情報収集。。

無事に開催されて良かったです😭


このイベントは、

数ヶ月前から字幕、手話通訳、音声ガイドがつくことを前提にして戯曲を公募する

という企画が行われており、

まさに看板にもあるように、

戯曲から始まるアクセシビリティ”。


公募で選ばれた『再起動の夜』は、

不審な動きをするようになってしまったお手伝いロボットを再起動させるかどうか話し合う夫婦の物語。

上演時間は20分ほど。

 

短くても深い余韻が残り、

演劇の持つチカラを改めて感じる

とても良い作品でした。

 

公募の時点から、アクセシビリティを前提にして作られている作品だからこそ、

字幕等をみていて、

ん?どういう意味?とか、

ちょ、歌詞が出ないんだけど…ということは一切なく、ストレスフリーで見られたのもうれしい限り。

 

 

舞台上演後は、日本劇作家協会のシンポジウムが行われました。


舞台制作者、俳優さん、

アクセシビリティ対応の専門家、

舞台鑑賞に障害を感じている当事者の方が、

さまざまな方向から意見を交わすという貴重な場でした。

 

劇作家協会の劇作家さんにも、

車椅子ユーザーの方や、

ご主人が車椅子ユーザーで全国舞台を観に行くという当事者の方がいらっしゃいました。

 

 

シンポジウムを聞いていて思ったこと。
 
現時点では、字幕のない舞台作品に当事者が字幕が欲しいと要望しても、実現することはあまりない。
稀に実現しても1度きり、ということも多い。
(お金がかかるからね。。)
 
サポートを断られても舞台を観たいと思うような舞台マニアはごく一部。
ろう、難聴友達から「サポートを断られた、もう二度と舞台は観ない」という言葉を何度聞いたことだろう。。。

主催者が鑑賞サポートを断る現状は、
これから舞台ファンになりうる人を減らしている現状でもある。

 

 
かといって、舞台制作側が自発的に舞台に字幕を付けても動員ができないことがある。
(字幕が必要な客に情報を届けられない、客が来ない)

また、聞こえる人の感覚で作った字幕が、きこえない人にも分かりやすいとは限らない。
わたし自身、舞台と共に字幕をみていて、
これはイマイチだなぁ、、、もっと舞台のことが伝わりやすく、没入しやすい良い字幕は作れるはず、と思うこともある。

 
当事者と制作者、どちらか一方だけが頑張ってもアクセシビリティは進まない。

どうしたら演劇の裾野を広げ、ファンを増やしていけるのか。


これからも当事者と制作者が互いに手を取り合ってアクセシビリティについて考え、
助成金の問題などは国に働きかけるような行動ができないだろうか。

・・・ということを
日本劇作家協会のシンポジウムで感じました。  
 

イベントは1回限りでしたが、後日アーカイブを期間限定公開予定だそうです!