(続きです)私のような平凡な仕事人生のなかでも、進退極まるもはやこれまで、という危機みたいなものが何度かありました。その時いつも思ったのは(be,stay,keep)calm.coolでした

「落ちついて、冷静に、じたばたするな」でしたが、なかなか。

 

ベレーザ最終戦で前半なす術もなく2失点した時、ピッチサイドで見守る楠瀬監督の心境も察して余りあるものがあります。1点

返すも、また失点で1−3で前半終了。引退するGK鈴木選手もどこかで良いかたちで出してあげたい。そこで、3枚のカードを切って後半に送り出す。的中し長船選手が決め、さらにキコの同点ゴール。鈴木選手も無難に守り3−3で負け試合を分けた。

一度緊張の解けた難しい試合。選手の勝利への意欲と、それに応えようとする監督の采配。ここで監督ができるのは選手を信じて交代カードを切ることだけだ。苦しい状況の中で、徐々に培った選手と監督の信頼関係。これこそが今季の「楠瀬采配」の鍵だった。この最終戦にもそれが見てとれた。選手の自発性、自主性を促し信頼し、邪魔せず、懐深く接した、ハイレベルなチームならではのハイレベルな作為を感じさせない見事な監督采配でした