○鈴木(貴)委員 同じく孤独、孤立関連でありますが、鉄道自殺対策であります。

 実は、年間で、上限はあっても約六百件ほど鉄道自殺があると言われています。諸外国に目を向けましても、鉄道利用が多いイギリスにおいてもその約半分の三百件だと言われており、日本における鉄道自殺、いわゆる飛び込みというものは非常に大きな、策を講じるべき課題の一つであると思っております。

 ただ一方で、今もありましたように、ホームドアの設置というものは非常にコストもかかる、ゆえになかなか進まない。しかしながら、鉄道事業者さんのそれぞれの工夫によって進んでいることもあります。例えば、ホーム上にあるベンチの配置、普通は線路に向かっていると思うんですけれども、線路に対して平行から垂直の向きに変更されているところ、目につく場所に相談窓口の案内を掲示していること、そしてまた、青色LEDをホームの電気に替えることによって実は自殺がその年はゼロになったというような事例も実際に報告がなされております。

 こういった自殺対策は、命に関わる問題であります、結果を出さないといけない。ゆえに、EBPM、データに基づいた対応というものが必要だと思っています。この沿線では、このホームでは何時から何時の時間帯に痛ましい事故が多いのか、若しくは属性、男性が多いのか女性が多いのか、サラリーマンなのか学生なのかによって、やはり相談窓口表示の在り方というものも変わってくると思うんです。

 そこで、是非お願いをしたいのは、厚労省、自殺の所管といえば厚労省であります、そこと国交省、そしてまた例えば各鉄道事業者若しくは市町村も巻き込んで、協働で過去のデータに基づいた実効性のある鉄道自殺対策というものを行っていただきたいと思いますが、見解はいかがでしょうか。

○上原政府参考人 お答えいたします。

 まず先に、先ほど私はバリアフリー省令の改正を二〇一六年と言ったかもしれませんが、二〇一八年の誤りでございます、おわびします。

 鉄道による自殺の件数は、議員御指摘のとおり、令和元年度におきまして五百七十七件、平成三十年度では六百一件と、年間六百件程度発生している状況にございます。自殺対策は、人の命を守るという観点から重要であることはもちろんのこと、自殺によって大幅な列車遅延が発生することからも、鉄道事業者が鉄道の安定的な輸送の確保という観点からも取り組んでいくことが重要であると考えております。

 鉄道事業者におきましては、例えば、JR東日本等では、厚生労働省が毎年三月を自殺対策強化月間と定めていることに合わせまして、生きる支援の強化月間としてキャンペーンを実施しておりまして、キャンペーン期間中には、一般社団法人日本いのちの電話連盟と共催いたしまして、電話相談窓口であるいのちのホットラインを開設し、首都圏の主要駅に設置しているディスプレーやSNSを活用して告知しているという取組もございます。

 また、東武鉄道では、踏切に姿見鏡を設置する、あるいは、駅においてアロマディフューザーでアロマオイルの香りを拡散する、そうした取組、あるいは先ほど委員御指摘のLED化というような取組を進めております。

 国土交通省といたしましても、厚労省や関係のNPO団体とも連携をいたしまして、より効果的な対策が実施できるよう適切に対応してまいりたいと考えております。

 

○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。そしてまた、局長、ありがとうございます、今、最後におっしゃったNPOとの連携は非常に重要だと思います。現場の支援をされている皆さんというのはこれまでのデータ、根拠を持っていらっしゃるわけでありますので、是非そういった根拠、データに基づいた対策というものを進めていただきたいと強くお願いさせていただきます。