みなさん、こんにちは!

いよいよ明日に迫ってきた日露首脳会談を前に

気運を”盛り下げる”ことにやっきになっている一部の皆さんがいます。

 

最近よく耳にするのは

「面積でわずか7%」

「ロシアに食い逃げされる」

といった話です。

 

まず面積について。

 

「色丹、歯舞の2島を先に動かしたところで、たかただ7%

そんなことならば、どの政権でもできたはずだ」

といった発言が首相経験もある野党の幹事長や、

北方四島隣接地域に在住されていない大学教授の先生方などから

発言が相次いでいます。

 

国家主権、領土問題、国境画定は、

面積の大きい、小さいで計る物事でしょうか?

 

面積の大きい小さいで判断されるというのであれば、

例えば、

沖縄の石垣島は日本を支えるに足らぬ島というのでしょうか。

 

石垣島(沖縄)222.54㎢  < 色丹島253.33 ㎢

宮古島(沖縄)159.05㎢ < 色丹島253.33 ㎢

礼文島(北海道)80.95㎢ < 歯舞群島 99.94㎢

八丈島(東京)69.46㎢ < 歯舞群島 99.94㎢

 

瀬戸内海の島々は?天売は?焼尻は?

種子島は?

 

”たった7%”と言い捨てる根拠は何なのでしょうか。

 

ましてや、その”たった7%”によって拡がる

経済水域、そしてその経済効果を忘れてはいけません。

親潮と、黒潮がぶつかりあうために栄養が豊富で

世界の三大漁場のひとつにも数えられる水産資源の宝庫です。

日本の技術をもってして、水産資源調査を行いながら

漁業発展を探れば、その可能性は無限大です。

 

                     (根室市作成の資料より)

 

次に、経済協力への批判です。

「経済協力しても、ロシアに食い逃げされるのでは」

という声も聞こえます。

 

どの分野でも、挑戦には不安や緊張はあると思います。

領土問題を抱えるロシアだからと、人の足元を見るような

発言を続けていることは、日本の足元が見られリスクもあると

いうことを忘れてはいけません。

 

日本とロシアの経済は、

日中間の貿易額と比べての10分の1です。

世界に誇る日本技術も、世界に出ていってこその技術

であり、経済発展です。

もっといえば、それが国民一人ひとりの経済の潤いに

繋がってきます。

 

同時に、マスコミやコメンテーター、

”たった7%”発言を好まれる識者の皆さんの中には、

あたかも日本政府がロシアにお金だけつぎ込んで、

あとの実質的な動きはロシアに丸投げするような言い振りを

される方もいます。

そういったミスリーディングな発言だと、確かに不安を感じる

視聴者もしくは国民の皆さんも多くなるのでは?

 

モノやお金の供与ではなく、

民間企業同士のプロジェクトです。

 

しかしながら、経済活動の基盤がないと

”利益”を追求する民間企業は慎重になります。

そこで、政府間で経済協力の合意があれば

実務的にもまた心情的にも、ロシア進出への追い風になる、

と、期待されているのが今回の経済協力です。

 

マイナス40度になるような極寒の地で、

何か国、何社も挑戦したにも関わらず

唯一ハウスによる野菜栽培に成功しているのは

日本の技術であり、企業です。

 

今もTVで、大学教授の先生が

「経済協力で出てきたお金はどこに行くんでしょうか。」

「不透明だ」

などと言っていますが、

 

どうひねって、こねくりまわしたら、そんな難しい質問に

なるのでしょうか。

 

民間企業による経済活動です。

売り上げは、売り上げです。

 

「安易な妥協はしないでくれ」

「決裂覚悟で挑むべき」という声もあるそうですが、

 

裏を返せば

「いかなる判断もしないでくれ」

「領土問題を解決するための行動はしないでくれ」

「領土問題はあった方がいいんだ」

という風に聞こえてきます。

 

北方領土隣接地域に訪れ、

カニやサンマを食べて帰るだけでなく

暮らしを本当に理解して頂ければ、

北方領土問題の前進がどれだけ地域経済に希望を

もたらすか、そのためには

まず最初の一歩を踏み出すことがどれだけ大きな意味が

あるのか、机上ではわからないことが見えてくると

思います。