みなさん、こんにちは。
今日の朝日新聞朝刊にこんな記事がありました。
ぜひ、多くの皆さんに「前田正名」という偉大な人物を
知っていただきたくご紹介させて頂きます。
前田正名は、1850年、時の薩摩藩に生まれ
坂本龍馬からの紹介でフランス留学を経験し、
帰国後は大蔵省、農商務省などに務め、
国家の発展に尽力されました。
当時の日本は、「富国強兵」、また海外技術を重視して
おり、危機感を感じ今一度地方からの改革をと
訴えていた前田正名は政府と対立。野に下りました。
しかし、そこからが前田正名のすごいところです。
全国津々浦々を行脚し地方に根付く地場産業を
直接見聞きしながら、地域振興をはかっていったのです。
「今日の急務は国是・県是・郡是・村是を定むるにあり」と
いう言葉で鼓舞された人々は多く、
現在の京都府綾部市にあたる何鹿(いかるが)郡の
波多野鶴吉は養蚕を奨励することが
「郡是(郡の急務)」であると考え、
「郡是製糸(現グンゼ)」を設立。
そうなんです、日本を代表するあの繊維メーカーへと
発展をとげたのです。
今ではブドウといえば山梨県ですが。
その下地も、このフランス留学経験がある前田正名の
奨励によるものとも言われています。
まさに現在の「地方創生」をすでに体現していた
のが前田正名翁です。
また国から北海道阿寒湖畔一帯の広大な山林の払下げ
を受けた前田正名は、明治39年その開発にも尽力しました。
その開発というのは、当時は森林=林業=伐る森であった中、
阿寒湖畔の湖、森林、湖、山などの豊かな自然に
感銘をうけ、
これからは伐る森ではなく『観る森』だ、という気持ちで
自然資源の管理、保存、そして共存共栄を目指しました。
なんと、「前田家の財産はすべて公共事業の財産とす」とし、
愛した自然は『前田一歩園財団』にて管理をするとし
今も脈々と守り、育まれています。
今では阿寒湖のまりもは天然記念物指定がされ
世界自然遺産登録にむけ、地域の皆さんが活動されています。
また25日、環境省は
外国人観光客の誘致に向けて、国立公園をブランド化
する整備事業の対象として「阿寒国立公園」を選定。
「観光立国ショーケース事業」にも選ばれており、
前田正名翁の精神、そしてその思いを受け止め
継承されてきたすべての関係者の皆さん、地域の皆さん
のおかげで、今を迎えています。
心からの感謝と敬意をもって
皆さんへのご紹介です。