民主党の鈴木貴子です。

私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました


「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」

について質問をさせて頂きます。

改めて今回の法案名に目を向けると「技能実習の適正な実施」

と並んで「技能実習生の保護」に関するとなっています。

この名称こそ本制度の運用と本来目指す目的とが、

いかにかけ離れたものとして続いてきたのかを

端的に示しているのではないでしょうか。




しかしながら、法案が提出されたからには、

指摘される問題点に与野党を超えて真摯に向き合い、

制度の創設以来積み上がってきた課題や問題を

これ以上放置することなく解決していく、との思いで

質問をさせていただきます。




■立法にあたっての基本的考え方

まず、本法案の立法趣旨を改めて確認させていただきます。

提案理由では、技能実習制度は、

「開発途上地域等への技能等の移転を図り、

その経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とする制度」

であることを確認し、

この制度が

「我が国の国際貢献において重要な役割を果たして」

いることを評価しています。




しかし、それに続けて

「同制度に関しては、制度の趣旨を理解せず、

国内の人手不足を補う安価な労働力の確保策として

使われており、その結果、労働関係法令の違反や

人権侵害が生じている等の指摘があり」と、

本来の趣旨に沿わない実態について自ら指摘しています。

この指摘は真っ当です。

しかし、この記述では、問題を制度利用者もしくは団体の

理解不足に責任の所在を転嫁している感が否めません。

★1)平成5年に制度がスタートしてから20年以上が経っており、

こうした制度の悪用を放置してきたことを政府自らが素直に反省すること

が、まずは必要ではないでしょうか?

法務大臣・厚生労働大臣の見解を伺います。




★2)提案理由説明では「こうした制度の適正化を前提に、

この制度の活用を促進するため、制度の拡充を図る」と

書かれています。

あくまで前提条件は「適正化」です。国際社会に貢献するという

大義のためにも、拡充策は制度の適正化が着実となってから

施行すべきであると考えますが、厚生労働大臣の見解を伺います。