本日5日、衆議院法務委員会にて

これまで70時間近く審議、侃侃諤諤の質疑を

続けてきた

“刑事訴訟法等の一部改正案”および

民主・維新そして与党である自民・公明との

共同提出である“修正案”の採決が行われました。

正直な気持ちを申し上げると

100%の修正ができたわけではありません。

皆さん、とくに冤罪被害者の皆さんの前に

「できました!やりました!」と勢い勇んで示せる

完璧な法案ではありません。

ちなみに、修正案は(後日衆議院のHPにも掲載予定)

例えば、

○裁判員裁判対象事件と非常に限定的な取調の可視化

★修正案では原案に盛り込まれていなかった

“制度の見直し”、大臣答弁において

“決して後退することのないよう・・・”と言質を確保。

○原案では通信傍受における“立会人の廃止”

★修正案では“捜査に直接関わりがない警察官の立会”

ここが最後の最後まで政府が折れなかった点です。

内部の人間、ましてや過去の捜査当局によって

引き起こされた冤罪の数々を鑑みた時に、これが十分なもの

ではないことは痛いほど感じています。

○原案では司法取引は、全く関係のない第三者、

いわゆる赤の他人を引き込み、自らの量刑を軽くすることが

制度上可能。

★修正案では、赤の他人の引き込みを防ぐために

関連する(オレオレ詐欺の仲間内など)第三者のみ対象。

○原案では再審請求審における証拠開示が触れられず。

★修正案では、“必要に応じ速やかに再審請求審における

証拠開示、・・・・措置等について検討を行うものとする。」

との規定設置。

等です。

・証拠の全面可視化

・取調の全面可視化

・再審請求審における証拠開示

を訴えてきた者として、忸怩たる思いです。

修正が十分でない、こちらの思いが100%飲まれていない

として修正協議を破談にし

政府原案に反対

民主党提出対案に賛成

おかしいだろ!不十分だ!納得できない!と示す

採決態度もあったかと思います。

しかし、そうなると修正は一切反映されることは

ありません。

通信傍受、司法取引の見直し規定が存在しません。

また再審における証拠開示においても現状のまま。

決して十分とは言えません。

満足していません。

締めくくり総括でも時間が許す限り最後まで問題点を提起。

しかし来てしまった質疑の終局。

これから送付される参議院において

衆議院の法務委では最後まで認められなかった

通信事業者による参考人質疑、通信傍受の新しい機器

を開発、製造する企業による参考人質疑など

審議を続けていただくべく党派を超えて働きかけて

まいります。

そして、これで終わりではなく

今後一層の制度および運用のチェック

そして立法府としての議員立法を視野に入れて引き続き、

いや更なる改正を必ずや実現させたいと思います。

数でも圧倒的な差を誇る与党に対して

建設的な提案で審議時間、視察、修正協議に

尽力頂いた山尾志桜里議員そして井出庸生議員の

ご尽力には心から感謝申し上げます。

そして今後とも、引き続き同じ悔しさや問題意識と

共に取り組んでいけることを期待しています!