取調室のカメラが凶器になる??!
だから、なんでこんな大きなカメラなのか?
(警察白書より)
以下、法務委員会でのやりとりです。
○鈴木(貴)委員 視察中にいろいろ私も伺わせ
ていただいて、非常にびっくりして、そして記憶
に残っている発言が、これだけ大きい機材だと、
取り調べ室においてカメラ自体が凶器になるおそ
れもあるんですとおっしゃったんですね。非常に
おもしろいというか、凶器になるおそれ、そうい
ったものを優先的に排除していかないといけない
にもかかわらず、そういった大きな機械が、まず
カメラだけでも一つ、録音のデッキだけでももう
一つ、かつ、足元にはさまざまなコードが縦横無
尽に狭い取り調べ室の中をめぐっている。
そういった状況というのは、現場の声を全く無
視した段階で進められているのではないか、こう
思うんですけれども、現場の声を聞かずして始め
た、このこと自体が、取り調べの録音、録画に対
して非常に後ろ向きな姿勢がかいま見えるのでは
ないのかな、こう思うんですが、もし御意見があ
れば、もしくは反論があればお聞かせ願いたいと
思います。
○三浦政府参考人 取り調べ室に録音、録画の機
器を導入するということにつきましては、私ども
としても、それまで経験のない試みでもあったわ
けでありまして、かなり慎重に検討して、どうい
う機材であればその目的を果たすのか、そうした
観点から検討を重ねた上で導入したものというよ
うに理解をしております。
もとより、現場の意見というものも、その中で
はいろいろと聞きながら設置をしたというもので
はありますけれども、実際にいろいろな試行を重
ねる中で、そうした現場の意見、やはりこの機器
ではいろいろと使いづらい面があるといったよう
な、そうした改善の要望なども寄せられていると
ころであります。
先ほど、凶器になるという発言があったという
ことでございましたけれども、実際、調べ室の中
で、中には暴れる被疑者などもいるわけでござい
まして、そのために、例えば、現在では、取り調
べ官のほかに補助者が二人必要になる、そういっ
たような問題もございまして、これも現場に対す
る負担となっている、そういった声も上がってい
るところであります。
そうしたもろもろのところも踏まえまして、そ
うした現場からの改善の要望にも応えるべく、先
ほど来申し上げているとおり、機器の小型化であ
りますとか固定式のシステムといったかなり大幅
な仕様の見直しについて、現在検討しているとこ
ろでございます。
○鈴木(貴)委員 機器に関しては最後一点だけ
確認をさせていただきたいんですけれども、この
法案において、物づくり、技術においては先進国
日本でありますし、たやすく技術の進歩というも
のは考えられると思うんです。そういった意味か
らも、カメラだとか録音、録画の機器の改良であ
るとか導入の見直し規定というものは、これは含
まれているんでしょうか。
○林政府参考人 こういった録音、録画の機器に
つきましては、当然、技術水準の向上に応じまし
て、よりよい仕様の録音、録画機器の導入が望ま
れるところでございますし、また、そういうふう
に検討していくべきものと考えております。
そのこと自体が、見直し条項、検討条項という
ような形で法案に盛り込まれているわけではござ
いません。
○鈴木(貴)委員 先ほどから三浦刑事局長も、
初めてのことだったのでいろいろ試行錯誤の結果
なんだという答弁をいただいておりますが、ただ、
取り調べの録音、録画制度等に関する国外調査と
いったもので、警察の皆さん、アメリカに行かれ
たり、イギリスに行かれたり、ドイツに行かれた
り、香港に行かれたり、さまざま海外にも現地調
査に行かれているはずなんですよね。それにも、
もちろんポケットマネーで行かれていることでは
ないと思いますから、予算を使って、まさに国民
の税金を使って行かれているにもかかわらず、今
になっても、いや、初期段階でなかなかわからな
かったものでというような逃げの答弁というもの
はいかがなものかなと。