質問)平成27年2月5日提出

答弁)平成27年2月13日受領



1972年の沖縄返還時における有事の際の核持ち込みに係る密約についての外交文書に関する再質問主意書



 2009年9月16日、当時の鳩山由紀夫内閣における岡田克也外務大臣は、以下の4点:

① 1960年1月の安保条約改定時の、核持ち込みに関する密約

② 同じく、朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する密約

③ 1972年の沖縄返還時の、有事の際の核持ち込みに関する密約

④ 同じく、原状回復補償費の肩代わりに関する密約

に関し、いわゆる密約があったと言われていることにつき、外務省において「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」(以下、「委員会」という。)を立ち上げ、同年11月末を目処にその存在の有無を徹底調査する旨の大臣命令を同省に出し、そして2010年3月九日、岡田大臣は、「委員会」の調査結果をまとめた報告書(以下、「報告書」という。)を公表した。

「報告書」における③に関連し、本年1月15日に外務省が公開した外交文書(以下、「文書」とする。)には、当時の中曽根康弘防衛庁長官とレアード米国防長官との会談の中に、「(日本は国防の基本方針に)核兵器は持たないと書いた方がいい。ただし、米国の核兵器の(日本国内への)導入については留保しておいた方がよい」との発言をしたことが明らかにされている(本年1月16日付読売新聞記事より)。

右と「前回答弁書」(内閣衆質189第13号)を踏まえ、再質問する。



質問1

前回質問主意書で、「文書」に対する外務省の見解を問うたが、「前回答弁書」では「コメントは差し控えたい」との答弁がなされている。「文書」は外務省が行ってきた外交活動を記録したものであり、それに対する見解を述べられないとすることに、何の根拠があるのか説明されたい。

答弁

お尋ねについては、先の答弁書(平成27年2月3内閣衆質189第13号)1及び2についてでお答えしたとおりである。


質問2

過去に鈴木宗男元衆議院議員が提出した質問主意書に対する、第一次安倍内閣の時に閣議決定された政府答弁書(例えば内閣衆質166第399号、422号)では、③の密約に関し「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安保条約」という。)の下での核兵器の持込みに関する事前協議制度についての日米間の合意は、日米安保条約第六条の実施に関する交換公文及びいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解がすべてであり、秘密であると否とを問わずこの他に何らかの取決めがあるという事実はない。」との答弁がなされているが、「文書」には、当時日本政府として、沖縄返還以後に核を持ち込むことを容認していたことが明白となっている。当時の安倍内閣として虚偽の答弁を行った理由を明らかにされたいと問うたが、「前回答弁書」では「御指摘のような評価を前提としたお尋ねにお答えすることも差し控えたい」とされている。右で挙げた当時の政府答弁書の内容は虚偽ではないというのか。明確な答弁を求める。

答弁

お尋ねについては、先の答弁書(平成25年11月5日内閣衆質185第36号)1から5までについてでお答えしたとおりである。


質問3

「報告書」における③に関し、自分たちが行ってきた外交活動を記録した「文書」に記されている内容と、閣議において決定された政府答弁書の内容が全く異なっているのはなぜか説明されたい。

答弁

お尋ねについては、先の答弁書(平成27年2月3日内閣衆質189第13号)1及び2についてでお答えしたとおりである。


質問4

外務省が行ってきた外交活動を記録した「文書」に記されている内容と、閣議において決定された政府答弁書の内容が全く異なっていること自体がそもそもおかしいのであり、それに対して政府としてコメントを差し控えるのは、国民の理解を得られないのではないのか。真摯に質問に答えられたい。

答弁

お尋ねについては、先の答弁書(平成27年2月3日内閣衆質189第13号)1及び2についてでお答えしたとおりである。