[秘書投稿]

平成26年6月12日提出



《質問》


TPP交渉に関する米国内の各種団体の声明等に対する政府の見解に関する再質問主意書





 本年五月二十九日付朝日新聞夕刊記事に、「『日本抜きでのTPP妥結を』 米農業関連五団体」との見出し記事が掲載されている。右によると、全米豚生産者協議会等の米国の農業関連五団体が、同月二十八日、我が国が大幅な市場開放に応じないのならば、我が国抜きでTPP交渉の妥結を求めるとの旨の声明(以下、「声明」とする。)を出しているとのことである。右と「前回答弁書」(内閣衆質一八六第一九〇号)を踏まえ、再質問する。





一 前回質問主意書で、政府は「声明」を承知しているか、「声明」に対しどのような見解を有しているかと問うたところ、「前回答弁書」では「承知しているが、(中略)コメントすることは差し控えたい。」とされている。政府として、右のようにコメントを差し控えたいと考える理由は何か。





二 前回質問主意書で、「声明」に関し、米国政府より何らかの説明はなされているかと問うたところ、「前回答弁書」では「米国政府との交渉の具体的内容についてコメントすることは差し控える」とされている。政府として、「声明」を巡る米国とのやりとりを国民に明らかにしない理由は何か。





三 米国内で「声明」のような考えがあるのなら、我が国としては無理な譲歩を続けてまでTPP交渉の妥結を急ぐのではなく、むしろ「声明」の意向を受けて立ち、TPP交渉から離脱することを宣言するべきではないのか。前回質問主意書で右の通り問うたところ、「前回答弁書」では「政府としては、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益にかなう最善の道を追求するよう、全力で交渉に当たっているところである。」との答弁がなされている。当方が問うているのは、交渉相手国に我が国を外すべきという意見があるのなら、無理に妥協してまでTPPに入る必要はなく、交渉から脱退すべきではないのかという点である。政府として、米国内はじめ他の交渉参加国から、我が国を外すべきという意見が出たとしても、交渉から離脱する考えはないということか。明確な答弁を求める。





四 三の答弁にある「守るべきもの」及び「攻めるべきもの」とは具体的にどの分野のことを指しているのか、詳細に説明されたい。





五 三の答弁にある「国益にかなう最善の道」とは具体的にどのようなものか、詳細に説明されたい。





 右質問する。








《答弁》


TPP交渉に関する米国内の各種団体の声明等に対する政府の見解に関する再質問に対する答弁書





一及び二について


 お尋ねについては、環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定交渉の具体的内容に関わることであり、先の答弁書(平成二十六年六月十日内閣衆質一八六第一九〇号。以下「前回答弁書」という。)において、コメントを差し控えたところである。





三から五までについて





 TPP協定交渉に対する政府の考え方は、前回答弁書三及び四についてで述べたとおり、政府としては、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益にかなう最善の道を追求するよう、全力で交渉に当たっているところであるが、お尋ねについて、その具体的内容について明らかにすることは、今後他国との交渉上不利益をもたらすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。