[秘書投稿]


平成26年6月12日提出


《質問》

二〇一四年四月二十五日に発表された日米共同声明が英語のみで作成されていた件に関する質問主意書


 本年四月二十三日、アメリカのオバマ大統領が来日され、翌二十四日、安倍晋三内閣総理大臣との会談が行われた。そして更に翌二十五日、両首脳により共同声明(以下、「共同声明」とする。)が発表された。右と「政府答弁書」(内閣衆質一八六第一九一号)並びに過去の一連の答弁書を踏まえ、質問する。


一 過去の答弁書並びに「政府答弁書」を見ても、過去に我が国とロシア並びに中国、そして米国との間で発表された共同声明または「共同声明」という言葉が含まれているもの以外の各種文書に関し、ロシア語または中国語、更には英語のみで策定され、我が国側が仮訳を行い、発表されたという事例はあるかとの問いに対して、ロシア語中国語いずれについても、それぞれの言語のみで作成され、我が国側が仮訳を作成したものはない一方で、英語に関しては、「共同声明」以外のいくつかの文書が、英語のみで作成され、我が国側が仮訳を作成したことが明らかにされている。その理由については、いずれも「相手国との交渉の結果、…」とされているが、英語とその他の言語とで、我が国側の対応がかくも異なる理由は何であるのか、どのような交渉がなされた結果、そのような対応をとることとなったのか、詳細に説明されたい。


二 米国以外の英語を公用語とする国家との間で発表された共同声明または「共同声明」という言葉が含まれているもの以外の各種文書に関し、英語のみで策定され、我が国側が仮訳を行い、発表されたという事例は過去にあるか。あるのなら、それらを全て挙げられたい。


三 中国語、ロシア語、または英語以外の言語を公用語とする国家との間で発表された共同声明または「共同声明」という言葉が含まれているもの以外の各種文書に関し、相手国の言語のみで策定され、我が国側が仮訳を行い、発表されたという事例は過去にあるか。あるのなら、それらを全て挙げられたい。




 右質問する。




《答弁》

二〇一四年四月二十五日に発表された日米共同声明が英語のみで作成されていた件に関する質問に対する答弁書


一について


 外交上の個別のやり取りについては相手国との関係もあり、お答えすることは差し控えたい。


二について

 お尋ねの「米国以外の英語を公用語とする国家との間で発表された共同声明または「共同声明」という言葉が含まれているもの以外の各種文書」の範囲が必ずしも明らかではなく、また、お尋ねのような事項について網羅的にお答えすることは困難であるが、現時点で外務省において確認できる範囲では、過去十年間に、日本国と米国以外の英語を公用語とする国家との間で、両首脳の名を記載して発表され、その名称の中に「共同声明」という語が含まれている文書のうち、英語で作成され、我が国側が仮訳を作成したものとしては、日本国と英国との間において、平成十九年の日英共同声明、日本国とオーストラリアとの間において、同年の気候変動とエネルギー安全保障に関する更なる協力のための日本とオーストラリアの共同声明、日本国とガイアナとの間において、同年の日本国政府及びガイアナ共和国政府による環境・気候変動分野における協力の一層の強化に関する共同声明、日本国とジャマイカとの間において、平成二十五年の日ジャマイカ共同声明、日本国とフィリピンとの間において、平成十八年の日本フィリピン共同声明、同年の経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定の署名に当たっての共同声明、平成二十一年の親密な隣国間に将来に向けて戦略的パートナーシップを育むための日本・フィリピン共同声明及び平成二十三年の特別な友情の絆で結ばれた隣国間の「戦略的パートナーシップ」の包括的推進に関する日・フィリピン共同声明がある。


三について

 お尋ねの「中国語、ロシア語、または英語以外の言語を公用語とする国家との間で発表された共同声明または「共同声明」という言葉が含まれているもの以外の各種文書」の範囲が必ずしも明らかではなく、また、お尋ねのような事項について網羅的にお答えすることは困難であるが、現時点で外務省において確認できる範囲では、過去十年間に、日本国と中国語、ロシア語又は英語以外の言語を公用語とする国家との間で、両首脳の名を記載して発表され、その名称の中に「共同声明」という語が含まれている文書のうち、相手国の公用語で作成され、我が国側が仮訳を作成したものは存在しない。