《質問》

米軍普天間飛行場の辺野古移設工事の開始時期等に関する質問主意書


 沖縄県宜野湾市にある米海兵隊普天間飛行場を名護市辺野古に移設する政府案に反対し、普天間飛行場の県外移設を訴え、二〇一〇年の知事選挙で当選し、再選を果たした沖縄県の仲井眞弘多知事が、昨年十二月二十七日、一転して辺野古の埋め立てを承認した。一方で、本年一月十九日、沖縄県名護市長選挙が執行され、反対する現職が二期目再選を果たしている。このような中、政府は、本年六月にも、辺野古沖にある米軍キャンプ・シュワブ内用地の既存施設を解体する工事等を始めるとの報道が出ている。右を踏まえ、質問する。


一 政府として、普天間飛行場の辺野古移設に向け、本年六月にも前文で触れた解体工事をはじめ、一連の関連工事をスタートする方針を固めたという事実はあるか。あるのなら、どのような工事をどのような工程で進める考えでいるのか、詳細に説明されたい。


二 一の工程につき、政府として沖縄県側に詳細を伝え、説明をしているか。


三 本年五月十四日付産経新聞の記事によると、辺野古移設に反対する勢力による妨害活動を阻止するための障害物を海上に設置する作業についても、本年七月に着手することで政府は検討を始めたとのことであるが、右は事実か。


四 普天間飛行場移設先の名護市の市長選挙が一月に行われ、反対する現職が再選されている。この結果を考えると、政府はもっと沖縄県民の声、思いを受けとめ、沖縄の理解を得た上で判断すべきと考えるが、政府の見解は如何。


五 時期がいつかに関わらず、政府が実際に辺野古移設に向けて具体的な工事に着手した場合、反対住民との物理的な衝突が起きる懸念はないか。政府の見解如何。


六 本年十一月には沖縄県知事選挙が予定されている。そこでは、普天間飛行場の辺野古移設の是非につき、改めて沖縄県民の民意が示されるものと思料する。政府は、せめて県知事選の結果を待つべきではないのか。


 右質問する。



《答弁》

米軍普天間飛行場の辺野古移設工事の開始時期等に関する質問に対する答弁書



一及び二について


 政府として、個々の報道について答弁することは差し控えたいが、普天間飛行場代替施設建設事業(以下「事業」という。)については、平成二十五年十二月二十七日に公有水面の埋立てについて公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)第四十二条第一項の規定に基づく沖縄県知事の承認を受け、現在、埋立て等の工事の実施に必要な設計等を進めているところであり、当該設計等を経て、速やかに埋立て等の工事に着手することとしている。
 また、埋立て等の工事に先立つ解体工事の着手に当たっては、沖縄県環境影響評価条例(平成十二年沖縄県条例第七十七号)第三十四条の規定に基づき、同県知事に、その旨を届け出ることとしている。


三について

 政府として、個々の報道について答弁することは差し控えたいが、事業の実施に当たっては、安全の確保に万全を期すため、埋立て等の工事の施行区域を明示するための浮標の設置等の措置を講ずる考えである。


四から六までについて

 普天間飛行場は、沖縄県宜野湾市の面積の約二十四パーセントを占めるとともに、同市の中央部で住宅や学校等に密接して位置しており、その危険性を一刻も早く除去することが必要であると考えている。
 同飛行場の移設については、沖縄において様々な意見があることは承知しているが、キャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に代替施設を建設する現在の計画が、同飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であると考えている。
 政府としては、お尋ねの「反対住民との物理的な衝突」が生じないようにするためにも、こうした考え方を引き続き誠実に説明し、沖縄の皆様の御理解を得るべく全力で取り組みながら、同飛行場の一日も早い移設・返還を実現し、沖縄の負担を早期に軽減していくよう努力していく考えである。