《質問》

かつて在モスクワ日本国大使館に存在していたとされる裏金組織「ルーブル委員会」に対する安倍晋三内閣の見解に関する質問主意書

 これまで累次に渡り鈴木宗男元衆議院議員の質問主意書で取り上げられてきた、旧ソ連時代の一九八九年頃まで、かつて在モスクワ日本国大使館に存在していたとされている、在モスクワ日本国大使館で任国の法令に違反する形で大使館員の私用車をルーブルで売却し、外貨に換金する裏金組織「ルーブル委員会」に関し、二〇〇九年十一月十日に当時の鳩山由紀夫内閣の下で閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一七三第三七号)では、「鳩山内閣発足後、外務省において、現在も外務省に勤務する関係者から改めて聞き取り調査を行った結果、『ルーブル委員会』という正式な組織の存在が確認されたわけではないが、両替が規制されていたソヴィエト社会主義共和国連邦時代の特殊な制度の下で、在モスクワ日本国大使館の一部の館員間でルーブルと外貨を必要に迫られて融通し合ったとの事実があったことが確認された。なお、これは、基本的には、同大使館を離任する館員が、手元に残ったルーブルを外貨に両替することが当時極めて困難であったため、必要に迫られて、互助的に館員間でルーブルと外貨を融通し合うというものであったが、ソヴィエト社会主義共和国連邦時代の末期には消滅したようである。」との答弁がなされている。右を踏まえ、質問する。


一 安倍晋三内閣総理大臣としても、前文で挙げた、当時の鳩山内閣が閣議決定した認識を踏襲しているか。


二 「ルーブル委員会」については、例えば内閣衆質一六八第二五〇号、二九〇号、三二四号、三六五号の各答弁書において、「『ルーブル委員会』なる組織が在モスクワ日本国大使館内において設けられていたことは確認されていない。」との答弁が繰り返されてきた。右の答弁を起草・起案した者の当時の官職氏名を明らかにされたい。


三 二の者は現在外務省内または政府内でどのような役職についているか、その官職を明らかにされたい。


四 安倍総理として、前文の答弁に書かれている慣行が、当時在モスクワ日本国大使館で横行していたことに対し、どのような見解を有しているか。


五 前文の答弁と、二の答弁は、明らかに内容に齟齬があり、虚偽の答弁がなされていたことになる。安倍総理として、過去に自民党政権で国民に対し虚偽の答弁を繰り返してきた理由を、何であると認識しているか問う。


 右質問する。



《答弁》

かつて在モスクワ日本国大使館に存在していたとされる裏金組織「ルーブル委員会」に対する安倍晋三内閣の見解に関する質問に対する答弁書


一及び四について

 「ルーブル委員会」という正式な組織が在モスクワ日本国大使館内において存在したことは確認されていないが、両替が規制されていたソヴィエト社会主義共和国連邦時代の特殊な制度の下で、同大使館の一部の館員間でルーブルと外貨を必要に迫られて融通し合ったとの事実があったことが確認されていると認識している。これは、基本的には、同大使館を離任する館員が、手元に残ったルーブルを外貨に両替することが当時極めて困難であったため、必要に迫られて、互助的に館員間でルーブルと外貨を融通し合うというものであったが、ソヴィエト社会主義共和国連邦時代の末期には消滅したようである。


二及び三について

 御指摘の答弁書は、外務省欧州局が中心となって起案した上で、閣議決定されたものである。


五について

 衆議院議員鈴木宗男君提出かつて在モスクワ日本国大使館に存在していたとされる裏金組織「ルーブル委員会」に対する鳩山由紀夫内閣の見解に関する質問に対する答弁書(平成二十一年十一月十日内閣衆質一七三第三七号)一から三までについてで答弁した事実関係は、当初の調査を通じて明らかにされてしかるべきであったと考える。その意味で当初の対応は、徹底した十分なものであったとは言えないと認識している。