袴田事件 認定事実は本当なのか 03月25日(火)

強盗殺人罪などで死刑判決を受けた袴田巌死刑囚

の第2次再審請求審で、静岡地裁が27日、

再審を認めるかどうかの決定を出す。

1980年の死刑確定から34年。

時がたつにつれ、認定された事実への疑いが濃くなる。

ためらわず再審開始を決め、証拠を検証し直すべきだ。

事件は66年、静岡県清水市(現静岡市)で起きた。

みそ製造会社専務宅の焼け跡から一家4人の遺体が

見つかり、住み込み従業員だった死刑囚が逮捕された。

第2次再審請求は08年、認知症の疑いがある死刑囚

に代わり、姉が申し立てた。

犯行時に着ていたとされる「5点の衣類」に付いた

血痕が焦点になっている。

シャツの右肩に付着した血痕が死刑囚のものとされ、

有罪の決め手になった。

2次請求審では、検察側と弁護側が推薦した専門家

があらためてDNA鑑定を行い、

いずれも「死刑囚のDNA型とは違う」との結果を出している。

弁護団はこれを明白な新証拠に挙げる。

検察は「鑑定試料は経年劣化しており、

結果は信用できない」と主張する。

検察が初めて開示した証拠からも疑問点が浮かぶ。

例えば、被害者宅の敷地で見つかった裏木戸の掛け金。

死刑囚の自白を裏付ける物証とされたが、

見つかった3日前に発見場所を撮った写真のネガには

写っていなかった。

検察は事件前後の死刑囚のアリバイはないとしてきたのに、

同僚が事件直後に社員寮の近くで目撃していたことも分かった。

一審を担当した元裁判官が、他の裁判官との評議で

無罪を主張したことを明かし、地裁に再審開始を陳情している。

公判で「死刑囚の顔に見覚えがある」と証言した女性は、

共同通信の取材に「本当は見覚えがなかった」と告白した。

重要な関係者のこうした言動も見過ごせない。

「5点の衣類」は事件から1年余りも過ぎてから、

既に捜索したはずのみそタンク内から見つかった。

ズボンのサイズは小さく、死刑囚は着ることができなかった。

一審に提出された自白調書44通は任意性を疑われ、

証拠から排除された経緯もある。

認定された証拠に数々の疑義が生じている以上、

再審の場で真偽をはっきりさせるほかない。

袴田死刑囚は66年の初公判から一貫して無罪を訴えている。

78歳になり、体調が心配されている。

静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」の原点に立ち、

再審の扉を開いてほしい。


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みなさん、

「検察の理念」にはこう書かれています。


職務への心構えについて

「国民全体の奉仕者として法令を遵守し、公正誠実に職務を行う」

「常に有罪そのものを目的とし、

より重い処分を成果とみなす姿勢になってはならない」

「時には自己の名誉や評価が傷つくことを恐れないことも必要」

「独善に陥ることなく、内省しつつ行動する」

としました。


そして、公判や捜査においては


「無実の者を罰したり、

真犯人を逃したりしないよう知力を尽くして真相解明に取り組む」

「容疑者や被告の主張に耳を傾け

十分な証拠の収集や把握に努め、冷静にその評価を行う」


「起訴するのに有利か不利かにとらわれずに証拠を集め、

冷静に分析する」

「取り調べでは(容疑者が自らの意思で供述しているという)

任意性を確保する」

「自己の名誉や評価を目的としない」

「広く社会に目を向け、優れた知見を探求する」

「過去の成果や蓄積のみに依拠して満足せず、

不断の工夫を重ねる姿勢が必要」


明日、27日午前10時に袴田さんの再審の可否

が決まります。

然るべき、公正公平な判断が下されることを

切に切に祈っています。

そして何より、

日本の司法を、検察を信じたいと思います。