《質問》

内閣総理大臣の発言に対する政府ホームページの扱いに関する質問主意書


 本年二月十三日の東京新聞三面に、「首相発言を削除 日米密約『自民、過去の対応反省』 公開議事録から判明」との見出し記事(以下、「東京記事」とする。)が掲載されている。右を踏まえ、質問する。


一 二〇〇九年九月十六日、当時の鳩山由紀夫内閣における岡田克也外務大臣は、以下の四点に関し、いわゆる密約があったと言われていることにつき、外務省において「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」(以下、「委員会」という。)を立ち上げ、同年十一月末を目処にその存在の有無を徹底調査する旨の大臣命令を同省に出したと承知する。
 

 ① 一九六〇年一月の安保条約改定時の、核持ち込みに関する密約
 

 ② 同じく、朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する密約
 

 ③ 一九七二年の沖縄返還時の、有事の際の核持ち込みに関する密約
 

 ④ 同じく、原状回復補償費の肩代わりに関する密約
  そして二〇一〇年三月九日、岡田大臣は、「委員会」の調査結果をまとめた報告書を公表し、密約の存在を認めた。安倍晋三内閣総理大臣としても、密約があったと認識しているか。


二 「東京記事」の内容を政府は承知し、その内容を正確に把握しているか。


三 「東京記事」の内容は事実か。


四 「東京記事」によると、安倍晋三内閣総理大臣は、本年一月十七日の特定秘密保護法に関する有識者会議「情報保全諮問会議」において、いわゆる日米の密約問題に関し、「自分は(二〇〇五年に)官房長官、(二〇〇六年に)首相となるのだが、(密約)文書を一回も見せられたことはない。説明もされていない」、「ずっと何年も何年もそのままだったことはおかしい」、「何回かこれをどうするべきかと議論されなければならなかった」との発言をしたとのことであるが、右は事実か。


五 「東京記事」によると、四の安倍総理の発言が、政府がすでに掲載しているホームページにおいては削除されているとのことであるが、右は事実か。


六 安倍総理として、四の自身の発言がホームページ上で削除されることを事前に知っていたか。事前に知らなかったのなら、そのことを初めて知ったのはいつか明らかにされたい。


七 五のホームページの記載に関連し、政府部内で決裁書は作成されているか。されているのなら、その最終責任者の官職氏名を明らかにされたい。


八 五で、事実なら、誰の責任の下、四の安倍総理の発言が削除されたのか説明されたい。


九 安倍総理として、四の自身の発言がホームページ上に掲載されず、国民に正確な情報が伝わらなかったことに対し、どのような認識を有しているか。



 右質問する。



《答弁》

内閣総理大臣の発言に対する政府ホームページの扱いに関する質問に対する答弁書


一について

 お尋ねについては、先の答弁書(平成二十五年十一月五日内閣衆質一八五第三三号)二についてでお答えしたとおりである。


二から四までについて
 

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、お尋ねの「記事」及び「その内容」については承知しており、また、当該「記事」において報じられている「議事録」の中には、「自分は官房長官、総理となるのだが、そのいわば文書というのは一回も見せられたことはないわけである。説明もされていない」、「ずっと何年も何年もそのままだったことはおかしい」、「何回かこれをどうするべきかということを議論されなければならなかった」との記述がある。


五から九までについて

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、内閣官房のホームページにおいて公表している平成二十六年一月十七日に開催された第一回情報保全諮問会議の議事要旨は、同会議の開催年月日及び場所、出席者の氏名等のほか、簡潔かつ的確に議論の要旨等を記したものである。