《質問》

一九九二年から一九九三年にかけての我が国のプルトニウム輸送に係る当時の政府の対応に関する質問主意書


 本年一月十八日付東京新聞の報道によると、一九九二年から九三年にかけてフランスから我が国にプルトニウムが輸送された際、当時の科学技術庁や動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が、港や船の名前を非公開とする一方で、報道機関に虚偽の説明をしたり、情報をリークする方法を検討していたことを示す内部資料が見つかったとのことである。また同じく報道には、当時の科学技術庁が作成した、プルトニウム輸送に際して秘密にすべき情報のリストを挙げた書類の写真も掲載されている。
 右を踏まえ、質問する。


一 政府として、前文で挙げた東京新聞報道を承知し、その内容を把握しているか。


二 東京新聞報道にあるように、一九九二年当時、政府としてプルトニウム輸送に関連する情報を秘密扱いにし、更には報道機関に虚偽の説明をしていたというのは事実か。事実なら、誰の権限により、一連の流れが決定されていたのか、詳細を説明されたい。


三 二の決定に係る決裁書は作成されているか。また現在は誰の責任の下、どこに保管されているか。


四 二の一連の秘密指定の流れは、当時の科学技術庁長官はじめ他の国務大臣、国会議員に知らされていたか。


五 昨年十二月六日、いわゆる特定秘密保護法が成立した。同法で規定される秘密に該当するか。


六 東京新聞報道に書かれている、一九九二年当時のプルトニウム輸送に関連する情報を、当時の政府職員が秘密扱いにし、報道機関に虚偽の説明をしていたことは、秘密保護法に違反するか。


七 東京新聞報道に書かれていることと同じように、特に原子力政策に係る情報が政府職員により一方的に秘密指定され、国民に正確な事実が隠蔽されるという事態が、秘密保護法が成立したことにより今後起こり得るものと考えるが、政府の見解如何。


 右質問する。



《答弁》

一九九二年から一九九三年にかけての我が国のプルトニウム輸送に係る当時の政府の対応に関する質問に対する答弁書


一について

 お尋ねの「東京新聞報道」があったことについては、承知している。


二から四まで及び六について

 お尋ねの「プルトニウム輸送に関連する情報」及び「秘密扱い」の意味するところが必ずしも明らかではなく、お答えすることが困難である。
 なお、仮に、お尋ねが「一九九二年から一九九三年にかけて」の核物質の輸送に係る情報の取扱いについての当時の政府の方針を問うものであれば、平成四年三月十九日に科学技術庁その他の関係省庁において、核物質の輸送に係る情報の取扱いについての申合せが行われ、「核物質の輸送に係る詳細な情報のうち、特に慎重な取扱いを要するものは、輸送の経路、輸送の日時、警備体制、核物質の正確な受け渡し地点及びその予定時刻等である」とされる一方で、「これら核物質防護上管理の必要な情報以外のものについては、核物質防護に名を借りていたずらに情報の管理をすることは避けなければならないことは当然であり、核物質防護の観点から問題のない、安全性等を説明する情報について公開することを妨げるものではない」とされたところである。
 また、お尋ねの「報道機関に虚偽の説明をしていたこと」については、当該申合せを始め、核物質の輸送に関し「一九九二年から一九九三年にかけて」作成された国の行政文書で、現在原子力規制委員会が保有しているものからは確認されていない。


五について

 お尋ねが何を指すのか明らかではなく、お答えすることが困難である。


七について


 御指摘の「事態」の意味するところが必ずしも明らかではなく、お答えすることが困難である。