《質問》

東京都知事が五千万円を無利子無担保で借り入れたことに関する質問主意書


 東京都の猪瀬直樹知事が昨年、現在は自民党を離党し無所属となっている徳田毅衆議院議員を介し、徳洲会の徳田虎雄代表から五千万円もの金員を無利子無担保で借り入れたことが問題視されている。


 右を踏まえ、質問する。


一 猪瀬知事が昨年都知事選挙に出た際、自民党として推薦・公認はしていないものの、全面的な支援をしている。一般に、五千万円もの大金を各級選挙に立候補することを考えている人間が借り入れ、その後に実際に選挙に立候補した場合、公職選挙法上、その金員をどのように収支報告書に記載し、報告することが義務付けられるのか説明されたい。


二 各級選挙に立候補することを考えている人間が金員を借り入れ、その後に実際に選挙に立候補した場合でも、公職選挙法上、その金員を収支報告書に記載し、報告することを免れる場合はあるか。あるのなら、それはどのような場合であるのか説明されたい。


三 一般に、五千万円もの大金を無利子無担保で借り入れるという行為が、社会通念上まかり通ると考えるか、政府の見解如何。


四 大臣、副大臣、大臣政務官の政務三役が、猪瀬知事と同様に五千万円もの大金を無利子無担保で借り入れ、収支報告書に一切の記載、報告をしなかった場合、法令違反を問われることがあるか。


五 大臣、副大臣、大臣政務官の政務三役が、猪瀬知事と同様の行為を行った場合、安倍総理はどのような処置を考えているか。なお、右質問は、我が国の民主主義を支える公職選挙法等の法令に関するものであるところ、政府におかれては、「仮定の質問には答えられない」云々として答弁を避けることのないようお願いする。


 右質問する。



《答弁》

東京都知事が五千万円を無利子無担保で借り入れたことに関する質問に対する答弁書



一、二及び四について



 お尋ねについては、御指摘の「各級選挙に立候補することを考えている人間」(以下「公職の候補者等」という。)が借り入れた資金が、当該公職の候補者等の選挙運動に関しなされた収入である場合には、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第百八十九条第一項等の規定により、出納責任者(出納責任者に代わってその職務を行う者を含む。)は、当該資金の金額等を選挙運動費用収支報告書に記載し、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)に提出しなければならないものとされているところであるが、いずれにしても、個別の事案が同法の規定に違反するか否かについては、具体の事実に即して判断されるべきものと考える。
 なお、このことは、御指摘の「大臣、副大臣、大臣政務官の政務三役」が公職の候補者等に該当する場合においても同様である。


三について


 お尋ねについては、私法上の契約行為に関する事項であり、政府としてお答えする立場にない。


五について


 お尋ねについては、「大臣、副大臣、大臣政務官の政務三役が、猪瀬知事と同様の行為を行った」という仮定の事実を前提とするものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。