今日は、主にインフラをはじめとする話題をリポートします。

早速ですが皆さん、

島のロシア化」という表現を聞かれたことはないでしょうか?

このロシア化」という表現を含め、私自身改めて考えたいと思います。


鈴木たかこオフィシャルブログ「お便りたかこ」Powered by Ameba

実は国後訪問の前に受けたインタビューなどで私自身

「島のロシア化が進んでいると言われている中で、島の現状を見てきたい」

といった発言を実際にしていたことがあったと思います。


実際に今回訪問してみて思った正直な感想は

ロシア化とは、そしてその持つ意味とは?です。


ロシア政府は「"クリル諸島”社会経済発展計画」とし2007年から

2015年にかけて集中的投資(道路整備、空港建設、幼稚園建設etc・・・)

を行っています。

実際に、私たちが止まった「友好の家」の周辺でも道路整備が行われて

いました。


鈴木たかこオフィシャルブログ「お便りたかこ」Powered by Ameba

ですが、日本でも道路整備などよく見かけたりしますが

日本でいうところの「基礎工事」なるものは見かけませんでした。

そして、これから住宅が建設される、という場所はコチラ。
鈴木たかこオフィシャルブログ「お便りたかこ」Powered by Ameba
ちょっと見えづらいですね・・・すみません。

道路に関しては地元の方も、

「冬がきて一度凍ればすぐにボコボコになる。」

「よく整備が求められる、でもなかなか行われない」

などと話して下さった方も。


鈴木たかこオフィシャルブログ「お便りたかこ」Powered by Ameba

余談ですが・・・

センターラインが、等間隔でなくいかにも「手書き」で、なんと

蛇行しているのが非常に「新鮮」でした。



2011年には追加資金投入などが決定したそうですが、

裏を返せばそうしないと人口の流出に歯止めがきかない

とも考えられるのではないでしょうか?

昨日の報告にも書きましたが、島は一時的な居住地であり

生まれた場所でなければ、最期を迎える場所でもないという

流れが出来上がっているからです。

しかし、島に住めば(ペーパー上だけでのデータ含め)

他よりも年金受給が早まったり、お給料が良かったり、何かと

手当が出るということが指摘されています。

国後島の行政府”南クリール”地区行政府のザジラコ副行政長は

「メンデレーエフ空港まで25kmのアスファルト舗装を行う予定」

と説明して下さいました。

また、サハリン州知事から指示で「5年間で行うように」とも。


鈴木たかこオフィシャルブログ「お便りたかこ」Powered by Ameba

「ロシア化」と聞くと、これまでは「インフラの整備」や「開発」「発展」

というイメージを強くもっていたのですが、実際に見てみるとその事柄より

も「ロシア化=急ピッチ、間に合わせの表面上の動き」という印象です。

しかし、これが何を意図するのか、がもちろん大事です。

北方領土は94年にも地震により大きな被害に見舞われていますが

いつ何時大きな地震が起こるかわからない地域でもあります。

そんな場所で基礎もおざなりな建設が続けられているということは

ある種「ロシア化」の逆、安定的ロシアンコミュニティを揺るがすのでは?

安心安全が長期的にも確保された本来の「町」を作ろうとしていれば

もう少し基礎から力をいれるんじゃ・・・・?と疑問を感じました。

そして同時に、そういった不安を解消できるのも世界に誇る技術を

もつ日本の存在意義が増す可能性・機会がある、と思いました。

共同開発」という言葉もたびたび出てきます。

ただ日本が技術提供をするだけでは「目先の行動」もしくは

あくまでも「支援」かもしれませんがルール、法律の段階から日本が

イニシアチブをとり「国土の開発・建設」をすることが必要だと思います。

私があらたに作らている建物の中でも特に印象的なのは

今年開かれた「ロシア正教の教会」です。

その土地の文化的色を出す上で「宗教」は大きなファクターでは

ないでしょうか。

道路、住居などはある種最低限の建設物ですが、

教会は違います。これは、まさに「ロシア文化・化」であり、

そういったものが与える「精神的根付き」は大きいのかもしれません。

ただ、その教会のいらっしゃるアレクサンドル司祭も数年の契約で

来られているそうです。

そういえば・・・

プーチン大統領が就任する直前の演説で

ロシア正教会のないロシア国家やロシア文化を想像する

ことはできない」といった趣旨の話をしていたような記憶があります。

長くなってしまいましたが、

「島のロシア化」と簡単に表現されてしまうようになってしまいましたが

(新聞の見出しになるのが当たり前に・・・)

非常に難しい、様々な角度から考えるべき課題であることを

改めて感じました。