『天真爛漫は最強の怪獣かもしれない』from 天使のツラノカワ | 仕事とマンガと心理学

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心理カウンセラーが語るマンガと小説についてのブログです。
心理学でマンガをみるとオモシロいので、それを伝えたくて
ぐだぐだお送りしますので、楽しんでくださいね!

こんにちは、プロフェッショナル心理カウンセラーの織田です。

ちょっと気分を変えて、こういう作品を。

 

 

「天使のツラノカワ」 一条ゆかり

 

この方の描く漫画は

押しなべて女性は元気でパワー一杯

いい男は気がつくフォロー抜群の人

あるいはちょい悪系の男ですが

この作品はモロにそういう一条さんの

お好みが出ている

元気なマンガです。

 

主人公の美花ちゃんは

お父さんが牧師でお家が教会

ばりばりのクリスチャン。

彼氏には浮気され

足をくじき

泥棒に入られて

すっかり気持ちがぐれた美花ちゃんは

「お金だけがすべてよ!!」と

生活費の為に

処女を売り渡そうとするのでした・・・

 

という、いかにもマンガ的な感じで始まる

この物語。

ただし、単なるドタバタに終らないところが

ストーリーテーラーの一条さんらしいところ。

この天真爛漫な美花ちゃんの周りに

トラウマしょった人が3名いるんだけれど

これが、美花ちゃんのものすごい

「天真爛漫パワー」で

変わっていくんです。

 

仕事柄、トラウマにはよく接するんだけれど

こういう風に

「ふっとばす」やり方もありなのかーと

初めて思った作品。

 

ふっとばす?なにを?

 

トラウマを。

 

癒しも、成長もあって

美花ちゃん以外の3名は

「まっとうな健全な人生」へと船出していきます。

美花ちゃんは、もう最初からまっとうすぎるぐらいの子なんですが

とにかく、まっすぐ。

天真爛漫。

○は○、×は×。

ゆるぎなくいつも「自分」であり続ける

そういう彼女を見ていると

確かに「ふっとばしたく」なるのです。

 

でも、最初は

「人の気もしらないで!」とイライラされる。

当たり前です。

読者としてみていても

相当気が利かないし、

相手のいろんな間を読まずに

突き進んでいくから

あれじゃ、傷つくよなーっていうところも

多々あるし

もし身近にいたら私もイラつくかも。

 

でも、

一方ですごく爽やかなんですよね。

これぐらい「決めて」生きられたら

とっても気持ちがいいだろうなって。

だから、イラつくのに

離れられなくなるっていうのも・・・

 

わかる気がする。

 

誰でもわかっていることを

そしていつの間にか口にしなくなることを

真正面から言えるのって

本当は大事なことなのです。

 

本当の気持ちなのに

いえなかったり

言っちゃいけないと思っていたりして

なかなか口に出さないことって

色々あるでしょう?

 

そういうことを美花ちゃんは

堂々と言う。

そして、周囲は翻弄されながら

時に強固に持っていたペルソナを

がらがらと崩されながら

悟るのです。

 

ああ、彼女の言うとおりだ・・・。

 

人を変えようとしてないんですよね

美花ちゃんは。

自分が大事だと思っている事を

堂々と言っているだけ。

 

それはもしかしたら

最強の天真爛漫かもしれない。

私はこのマンガを読んで

ちょっとだけ美花ちゃん流を

カウンセリングに取り入れてみました。

 

けっこう、強力なんですよ

美花ちゃんスキル。