こんにちは、プロフェッショナル心理カウンセラーの織田です。
今日はこちらの作品を。
「バジル氏の優雅な生活」
タイトルどおり、優雅ですわー。
バジル氏とは貴族の1人。
ちょっと変わり者で女性が大好き
クールな感じではありますが
基本的に人がよくて
いろんなことに巻き込まれています。
巻き込まれているんだけれど
それを嫌とも思わず
せっせせっせと巻き込まれていく。
こういう人ってもてるんだけれど
自分はあんまり本気で恋はしないんですよね。
なので、バジル氏があれこれ
火遊びしていたり
「女好き」をネタにしたエピソードはありますが
あまり本気の恋のさやあては
描かれていません。
まあ、どうしてこんなに優雅に暮らせるのかなーと
思っていたら
舞台となった時代のイギリスの貴族って
すごく少なくて、
その少ない貴族が広大な領地を支配していたので
そこからの収入が大きかったらしい。
バジル氏は、丁度貴族達が権勢を競っていたころから
徐々にその力が下降してきつつある・・かな、という
時代に生きた貴族として描かれているような感じです。
物語は基本的に一つひとつのエピソードに分かれていて
バジル氏とその周囲の人間達の物語、という体なんですが
よく出てくるテーマが
「新旧交代」です。
特に目立つのが「新しい女性」の姿。
バジルさんがちょっと好きだったんじゃないかなーと
思っていたビクトリアさんを筆頭に
役者として生きようとする少女
あまりにも囲われた生活に見切りをつけようとした女性
「~でなければならない」から
「どうしたいか」を軸に生きようとする女性の姿が
派手ではないけれどイキイキと
描かれています。
バジルさん自体もそうなんですよね。
この人は、よくも悪くも骨の髄まで貴族な人で
生まれながらの特権階級の恩恵と義務を
すごくわきまえたヒトなんですが
身分や家柄で人を判断することもなければ
市中の雑踏の中でも自然と居場所を見つけられる人で
教養も深いし人間的にもバランスと抑制が効いていて
まあ、ちょっとプレイボーイだけれど
ステキな英国紳士なんですね。
でも、当時の厳然とした階級社会において
「人に優しいひと」というのは少数派。
バジル氏は優雅な英国紳士だけれど
どこか自分は斜陽の側にいて
自分の生き方は変えないけれど
これから変わっていこうとする時代を
受け止めていこうとするヒトに
見えるのです。
新旧交代。
どんな時代にも新旧交代があります。
よい・悪いなんていう価値は
時代が決めることで
その最中にいる人間には
決められないこと。
そう言いながらも、
自分が持っている価値観が「正しい」ということにしておきたい。
そういう心理も働きます。
一昔前は「正しい」ことだったことが
今は色んな名前で呼ばれて「正しくないこと」に
なろうとしている。
それがいいのか悪いのかわからないけれど
ヒトに優しいか?で考えると
案外自分の中の答えが
出てくるように思います。
バジル氏の時代には「正しくない」けれど
今私達が生きている時代には
「正しい」とされている価値観も登場します。
そんな時にはバジル氏は
いいとも悪いとも言わず
ただ見つめているだけ。
どう思う?と読者に突きつけているような
そんな雰囲気もあります。
正義の御旗を掲げるのは
実はとても簡単なこと。
正義と邪の本質を見極めようとするのは
難しいこと。
しかも、それに対して
いい距離感をもつのは
もっと難しいこと。
そして、それでいて
自分を見失わないでいられるのは
もっともっと難しい。
ニュートラルな自分を保つのは
なかなかレベルの高い課題でして
メントレを自分に応用するときにも
この部分が私的には
まだまだ足りていないところですねえ。
いつかバジル氏みたいに
優雅な心持ちで日々を過ごし
ヒトに優しくありたい。
そう思いながらページをめくるのでした。
やる気を120%引き出す! メンタル強化メソッド
Amazon |
子どもの可能性を120%引き出す!
Amazon |
7日間メンタルトレーニング
29,800円
Amazon |