『陽気なイマジナリーフレンドたち』 from 宇宙家族カールビンソン | 仕事とマンガと心理学

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心理カウンセラーが語るマンガと小説についてのブログです。
心理学でマンガをみるとオモシロいので、それを伝えたくて
ぐだぐだお送りしますので、楽しんでくださいね!

こんにちは、プロフェッショナル心理カウンセラーの織田です。

 

今日放映された「いただきハイジャンプ」

ご覧になりましたか?

 

イマジナリーフレンドについて

きちんとした?内容については

ぜひこちらへ!

私の学んだ先生である

浮世満理子のブログです。

 

今日のご紹介はこちら。

 

 

「宇宙家族カールビンソン」

 

マイナーと言えば、とてもマイナーなんだけれど

マニア好みの遊びいっぱいなマンガで

パロディがちりばめられています。

もともと、このタイトルそのものが

パロディだし

物語の設定が「地球人のパロディ」みたいなものだし。

 

ちりばめられたパロディとか

遊びが分かるともうそれだけで嬉しいという

マニアが盛り上がっちゃうマンガでもありました。

 

事故で大破した宇宙船のたった一人の生き残りの

地球人の女の子の赤ん坊を育てる

物語なんですけれど、

いつか母星に帰った時に

きちんと適応できるように

地球の暮らし方をなぞって

育てましょうという「地球パロディ」なんですよね。

 

で、限られた断片的な情報で

「こーゆーこんじゃないの?」と

模した感じがもう面白くて。

 

で、なんでこれが「イマジナリーフレンド」かっていうと

助けられた地球人の女の子以外

みんな、自分が「本物じゃない」ことを

自覚して、

いつか彼女が地球に帰ったら

自分たちはその存在意義を失うことを

覚悟しているんですよね。

 

物語そのものはナンセンスで

ギャグなんだけれど

底辺に流れる

「限られた時間と使命」の

悲しさと寂しさが

私はすごく好きなんです。

 

いつかこの子が地球に戻ったら

ここの生活はなくなる。

自分たちも役割を終えて、この子の人生から消える。

 

限られた時間の限られた空間で

でも、心から愛され必要とされている。

 

まさしく、イマジナリーフレンドの世界。

 

そして、その終わりの予感をいつもどこかに抱きながら

登場人物たちは

心からその地球人の女の子を愛し守り

育てていくわけなのです。

 

そういう背景を持ちつつ、

感傷に流れずに

ひたすら馬鹿をやっているものすごく馬鹿な物語。

でも、とても愛おしさを感じる物語。

イマジナリーフレンドたちが

暴れて語って、時に昔を思い出し

そして、また馬鹿さわぎで過ごしていく。

 

いつか消えていく

この愛おしい時間を

隅々まで味わっていくように。