「先生、誕生日っていつ?」
今年、生徒さん達からよく聞かれる質問に、私はいつも
「先生は宇宙人だから、お誕生日はないのよ」と笑いながら答えていました。
「えーー!!」と困惑する生徒たち。
その反応に、私はつい薄く笑ってごまかします。
そんなやりとりもすっかり忘れた頃、
小さな生徒さんがふと、
「先生はいつ産まれたの?」と聞いてきました。
あまりに自然な問いかけに、
思わず本当の誕生日を口にしてしまいました。
――そしてその翌日。
夜のレッスンを終えて帰宅すると、夫が
「ポストにお手紙、届いてるよ」と一言。
封筒には、
「誕生日の日に読んでね」
と書いてあります。
私は指示どおり、そのまま取っておくことにしました。
数日後、レッスンに来た生徒さんたちを迎えようと玄関に出ると、
お母様たちと一緒に立っている子どもたちの姿。
手にはキラキラ光る小物、頭にも光りものをつけていて、笑顔でこう言いました。
「お誕生日おめでとうございます!」
驚きと嬉しさで胸がいっぱいになりながら、手渡された封筒と、以前ポストに入っていた手紙を夫と一緒に読みました。
可愛い文字で綴られたお手紙と小さなプレゼント。
その中の一枚には、
「こわいところあるけど だいすきです」
と書かれていて、思わず吹き出してしまいました。
5人の生徒さんからの手紙。
それぞれに込められた優しさと正直な気持ちが、
心の奥までじんわりと沁みました。
“宇宙人の先生”にも、ちゃんと誕生日がありました。
そして、こんなに素敵な地球の仲間たちがいてくれます🌏💌
