受け取る間口 | 12枚の羽根の歌

12枚の羽根の歌

生きることは踊ること!

昨日は私の誕生日でした♪
たまたまいろいろな人たちと会うタイミングが重なっていて、朝から晩まで、たくさんの人から祝福していただきました音譜

で、それ自体はほんとうに幸せなことだったんだけれど、
大事な気づきもありました。

というのは、
一日の終わりに、不意に、ものすごく疲れてる自分がいた。

なぜかっていうと、
まあひどい話だけど、この後の展開のために大事な部分なので、聞いてください:

 夫と子どもたちがくれたプレゼントが、ぜんぜん気に入らなかったのですしょぼん


一週間前から用意してくれてるのは知ってて(子どもたち、ママの喜ぶ顔が早く見たくて、浮かれすぎてて隠せなかった)、
だけど、3つもあるとは思わなかった!

 ①竜の、下からライトアップできる、ホログラムっぽいガラスの置物
 ②エスニック系のお店で買ったらしい、大きなリュック
 ③エメラルド色のビーズのネックレス

特に竜の置物については、子どもたちが「すごいでしょ! すごいでしょ!!」って浮かれちゃってて、すっかり盛り上がってた。
リュックについても、「ママのパソコンが入れられるように選んだんだよ」って言う。
ネックレスは、次男が選んでくれたんだって。

私は、疲れ果てて、がっかりしてた。
なぜって(あえて一番イジワルな心の声を書きます)、

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 竜の置き物なんかどうせいっちゅーんじゃ。なんかコミカルな顔してるし。私、ほんとに竜とコミュニケーション取るんですけど。。こんな子どもだまし、ぜんぜん興味ないよ。
 リュックは、素材が化繊でちゃちくて、私なら絶対選ばない配色(赤紫とオレンジとくすんだ水色と茶色と変な民族形の柄)だし、第一、いくら大きさは入るとしたって、こんな頼りない生地のものに、大事なPCは入れられません。。
 ビーズのネックレスって。。これでも、上質志向なんですけど。もう大台乗ったことだし、同じ透明なら、水晶かダイヤの方が良かったわ。
 私は日々、家計をいろいろやり繰りしてそれでも足りなくて苦しいのに、こんな品のないものにお金使うなんて。
 しかも、それを、もらって嬉しいふりしなきゃいけないなんて。。
 自分の誕生日なのに、祝ってくれる人の気持ちを考えて、嫌なこと我慢して、喜んでるふりして喜ばせてあげなきゃいけないなんて。
~~~~~~~~~~~~~~~

……ひどいでしょう(笑)
ほんと、こんな奴にはもう何もあげたくなくなりますね。
だけど、それがその時の本音で、私は心底落ち込んでた。

もちろん、徹底して喜んでる風なリアクションをしました。

だってね、
自分の好みや事情はさておいて、
やっぱり、喜ばせよう、祝おう、としてくれてる人たちの気持ちは、大事にしてあげたかったから。

だから、ちょっと悲しいような母親的な気分だった。

そして、疲れきって、寝た。



翌朝、やけに早く目が覚めちゃって、
ああ、何か自分らしく感じられることをしなきゃ、って思ったら、
「仕事と家事」しか浮かばなかった。

毎日やってる「今日思い着く言葉30」やったら、
何年間かで初めて、ネガティブな言葉がいっぱい出てきた。「やるせない」「がっかり」「不満」「失望」……
でも、はっきり言葉にすることで、なぜだかものすごく救われた。ああ、これが私が感じてること! って、正直でいられたから。


仕事があったので、出かける用意をしつつ、
食欲もなくて、みかんだけでいいやと思いながら、夫や子どもたちと会話してて、



そんな中で、何が転換点だったのかよくわからない。
ただ、ずっと、ネガティブな自分の気持ちも感じつつ、夫と子どもたちの気持ちも考えて、できるだけニュートラルな視点も持てるように、努力してたんだと思う。

出かける準備で慌しくしてる私に、夫が何か言った。


 「キャベツは○▲◎◆×」


え??

聞き返したけど、もう一回聞いても、


 「キャベツは○▲◎◆×」


としか聞こえない。


 「……え? キャベツはわかったけど、その後がぜんぜんわかんない」

って聞き返したら、

 「胃にいいよ」

と夫。


 ?????


一瞬おいて、やっとわかった。

私が「昨日食べすぎてお腹空いてないから、朝ご飯はいいや」って言ってたのを聞いて、夫、鍋に残ってたスープをあっためて出してくれてたんだけど、
その中にキャベツが入ってたんだ。

つまり、
「お腹が重いだろうけど、何も食べないのもなんだから、キャベツなら胃に負担にならないから、食べてったら?」って、気遣って出してくれたんだな。


その瞬間、
世界がひっくりかえったような感じがしました。


え?
この人、私を気遣ってくれてるの??



変な話、
その一瞬前までは、「ほんとに今身体が必要としてないから、果物だけがいいの。スープが置いてあるのは見えるけど、ベーコンも入ってるし、重いし、いらないものはいらない。食べさせられたら、逆に迷惑!」って思ってた。

しかも、前日のプレゼントのことがあったので、なんか被害者モードに入ってた。

でもさ、どう考えても、夫には愛情がありこそすれ、私を困らせたいっていう意図は、まるっきり、なかったんだよね。


私が、愛情を受け取れてないだけだった。
いや、それもなんか違う。「愛情を受け取ってあげなきゃいけない」って思いこんで、勝手に負担に感じてた。



なんつーのか
くれたプレゼント自体が悪かったんじゃなくて、
私の間口が狭すぎただけだったんだ。
自分がOK出せる「幸せ」しか受け取ろうとしてなかった。
「理想」のものにしかOKを出そうとしてなかった。


それはまるで、
ものすごく小さな口しかない、でも本体だけは膨らんで大きな壺のようで、
上からいくらギフトが降り注いでも、口があまりにも小さいので、中まで入って満たしていける量は極端に少なくなってるんだった。



思い出した。
年によっては、誰も私の誕生日だって気づいてくれない、祝ってくれない、ってことに傷ついて、すっかりしょげちゃってたこともあったじゃない。
なのに、こんなに祝ってもらって、こんなにこれでもかってプレゼントもらって、
何をぐちゃぐちゃ言ってるの?


要するに、
私は受け取る間口が、ものすごく狭かったんだ。
せっかく降り注いでくるギフトに対して、「あれが気に入らない」「これが受け容れられない」ってケチばっかりつけて、ギフト扱いしなかった。

そんなに検閲厳しかったら、そりゃ、通れるものは少ないですわな。

そんで、「欲しいものがもらえない」って、不幸な顔しちゃったりなんかして。



 バカは誰だ!!!
 私だ!!!!!!



……って、キョーレツに気づきましたのです。



夫の、「キャベツは胃にいいよ」って言葉、
ちゃんと聞けてよかった。
ほんとうによかった。


間口を狭くしてたのは自分だった、って気づいてから、
わっ、このあほらしい検閲は廃止!!! ってなって、
ぐっと間口を広げたら、
その途端、ぜんぶが恵みで、ぜんぶがほんとうの祝福で、ぜんぶがギフトだったんだ、ってことをガツーーーンと感じた。


仕事に向かう電車の中、いろんな人からもらったいろんなもの(物理的でないものも含め)が心から嬉しくて、胸がじーんとして、うるうるきちゃって、鼻もぐずぐずで、
でもちょうど花粉症のシーズンだから、ちょっとくらい目が赤くても洟すすってても誰も気にしないだろうって思ったりして(笑)




私はこれまで、ものすごく口の狭い瓶だったけど、
その間口、もう、全開にしちゃおー。
おっきなボウルのようにしちゃおー。

って決めた。

ケチつけるの、やーめた!



ギフトは、ほんとうは、ぜんぶがそうなんだ。
受け取れなかったのは、自分が受け取ってなかっただけなんだ。



……って思ったら、
竜の置物もなんだかすごくわくわくするいとおしいものに変わったし、
リュックも、よく見たら遊び心で使えるような気がしてきたし、
子どもを喜ばせようと思ってつけて出たビーズのネックレス、出先で、知らないおばちゃんに「素敵ねぇ!」って、すごい褒められちゃったラブラブ


実は私、子どもの頃にいちばん自信がなかったことは、
母にプレゼントする能力だった。私が何をあげても、母は喜んでくれないような気がしてた。

どうしてそう思っちゃったか、
それはそれでいろいろわけがあるんだけど、
細かい理由は今はいいんだ。


私は、自分の子どもたちはじめ、周りの人たちに、あんな悲しい気持ちは味わってほしくない。
「お母さん的な役割」を「しなきゃいけない」ことに、昨日は疲れを感じたけど、
今日はぜんぜんそんな感覚じゃなかった。


間口をぐっと広げて、
降り注いでくるものをちゃんと心から歓迎して受け取って、

それは「嬉しいふりをする」というのとはぜんぜん別のことで、
そしたら、差し出してくれた人もとても嬉しい気持ちになってくれて、

そんな風な受容性を「菩薩」って言うなら、私は菩薩になろう。だって、ほんとうに幸せだもの。
相手の中のいちばんいい部分をちゃんと感じられるようになって、そしたら、相手だって嬉しくなるんだもの。
一緒に幸せであれる。
それがいい。そうしよう。


……って、感じた。


私、もともと、
好みが激しくて、
自分なりのこだわりが強くて、
美意識がある程度はっきりしてるんですが、

それは必ずしも「悪い」ことばかりではないと思うんですが、


でも、
でも、
やっぱり、そんな「小さな自分」から、もっと「大きな自分」の可能性を知れて、ほんとうによかった。


大事なことが学べた誕生日でした! あー、生きててよかった。みんなありがとうクラッカー