昨日、鑑定の現場で、とても興味深いことがありました。
守秘義務がございますので、
詳しいことはかけないのですが、
一組目のお客様は、とても明るくフレンドリーな方でした。
仕事もそこそこ。お金にこまっているわけでもない。
ところが、手相を拝見すると、
本当はとてもしたかったことが、
あったんじゃないかと。
それは、どうもアート的なことだったようで。
もちろん、今の人生に満足されている部分もあるんだけど、
ご両親からも「本当にその人生でよかったのか」と聞かれるそう。
人に好かれる方で、楽しく生きることにも長けていらっしゃるけど、
深いところにやり残し感を持っていらっしゃいました。
今更変えられないという諦めもあって。
でも、人生はいつでも、今からでも変えられます。
その方は、ご自分の本心を明かした後、
口数少なくなっていらっしゃいました。
心の中でいっぱい考えていらっしゃるようでした。
確かに、人生も半ばにきてしまえば、
このまま安穏にという気持ちになるのかもしれません。
私も、黙っていました。
私が背中を押しすぎてもよくない、そう思って。
そして、次にいらしたお客様は、
コロナのために、内定を取り消されてしまった方でした。
これからどうしたらいいか、焦りや不安もあったようです。
ただ、その方は専門学校を出たばかり。
実はその方にはやりたいことがありました。
でも、早く就職を決めたくて、
妥協で入った会社だったそうです。
それが消えてしまい…。
これから先の就職も、もちろん大変でしょう。
だけど、こうして一瞬にして消えてしまうのなら、
本当にやりたいことができないか、
もう一度考え直すチャンスなのではないかと、
私はお話しました。
私の頭の中には、先ほどのお客様の顔が浮かんでいました。
その方が伝えてほしいとおっしゃっている気がしました。
とても芯のしっかりした方です。
現実的な方です。
そして、口数の少ない方です。
でも、その方は最後に、
「泣きそうです。もう一回、考えてみます」
そう、ポツリおっしゃいました。
夢をあきらめた最初の方の想いが、
後のお客様につながった、そんな気がしました。
全くお互いを知りません。
すれ違ってもいません。
でも、私は想いのバトンがわたったように感じました。
前のお客様の後悔が、あとのお客様の心を揺さぶり、
あとのお客様の決心が、前のお客様の心を癒す。
私たちは、こんなして、みんなつながりあっているのかもしれません。
だとしたら、私たちはここに存在しているだけで、
誰かを支えたり、励ましたり、癒したりしているのだろうと。
与えられた人生を自分なりに正直に、まっすぐに生きていれば、
それがどこかの誰かを支えるし、
また、自分も支えられてる、そう思ったのです。
特別なことをしなくてもです。
人のために一斉ヒーリングをしたり、
誰かを思って祈らなくてもです。
もちろん、それは素晴らしい行為でしょうけど、
お互いは、目に見えなくても網の目のように
繋がった中で生きているんだろうと思えました。
縁の中で。
繋がりあい、支えあい。
人というのはそういう存在なのだと、
そんなことを感じた体験でした。