さよならなんか言わないよ | 地球のお母さんになりたい

地球のお母さんになりたい

地球に生まれ、地球に育まれ、地球に与えられ、いまここにいる私。いっぱい包んでもらったから、私は地球のおかあさんになりたい。
みんなのお母さんになりたい。




大好きなだいち。

去年の夏に、突然具合が悪くなった。

それまでは、ごはんごはんとうるさかったし、
たぬきのような大きなからだをしてたし、

だいちが病気になるなんて、
考えてもいなかった。

離婚、引越しを経て、
これからどう生きるか、
さっぱり決められないでいる私たち親子に、
だいちはとりあえずただ毎日を生きるという、
シンプルな問題を突きつけてきた。

単なる糖尿ではなく、
クッシング症候群という難しい病気。

その原因は、もしかしたら、
だいちの脳の中にあるかもしれなかった。

治すなら手術しかない。だけど、彼は、クッシングで皮膚が弱く、
手術したら恐らく皮膚はくっつかないだろうと。

副腎の薬が効けばいいのだけど。

奇跡的に薬は効いて、
病気はある程度コントロールされたかに見えたのに。

それはそれは苦しい発作が突然、だいちを襲った。

主たる血糖値の問題は、
クリアできたと思えたのに。

確かに、少しずつだいちは弱っていた。

食欲がなくなり、増えていたはずの体重も減ってきた。

だいちは弱っていた。私も娘もきついていたけど、認めたくなかった。
順調に回復していると思いたかった。

その矢先の発作。

それは、低血糖が原因でなく、インシュリンが切れても、
発作は再び襲ったきた。

てんかんのような感じ。

だいは、本当によく耐えた。だけど、さらに弱っていった。心臓はいつ止まってもおかしくない。口から出た舌は真っ青。

それでも、苦しかったのは二日間だけだと思うと、
私は少しほっとする。

もういい。
もう、頑張らなくていい。

私たちは大丈夫だから。

何度も何度もだいちに伝えた。

痛かったろう。
苦しかったろう。

おおらかで、牙をむくなんたことはなかっただいち。
爪すらたてなかった優しいだいち。

薬のせいで、少し抱っこしただけでも、
うなるようになっていったけど、
つらかったんだね。

皮膚の一部がはげたり、傷が治りにくかったり。
だから、抱っこが大好きだったのに、あまりできなくなったね。

本当は、つらかったんだね。

発症から一年。

小さないのちは頑張った。

生きるってこんなことだよと、
へたれな親子を励ますように、
精一杯生きて見せてくれた。

ありがとう、だいち。
いっぱいいっぱいありがとう。

さよならなんか言わないよ。

私がこの世を離れる時は、
いの一番に迎えに来てよ。

そして、抱っこされてよ。

向こうで会えることが楽しみだよ。

私は、いろんなことがあふれてきて、
眠れない。

でも、いいよね。
今晩は、ずっと、ずっとだいたのことを考える。

明日から、笑って生きるために。




iPhoneから送信